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歯髄細胞研究バンク:
歯髄からiPS、細胞バンク設立

歯髄からiPS、細胞バンク設立 小児歯科学会など

 鶴見大(横浜市)と日本小児歯科学会は、難病の小児患者の乳歯から幹細胞を取り出して保管する「歯髄細胞研究バンク」を10月に設立する。年間60人分を目標に集め、無料で保管。細胞の一部を国内外の研究機関に無償で提供し、難病の解明や治療法開発に向けた研究に協力する。

 乳歯や親知らずの中心部に含まれる「歯髄細胞」は、やがて歯の組織になる幹細胞で、簡単に採取できるうえ増殖力が高く、硬い歯に守られて遺伝子の損傷も少ない利点がある。難病患者の歯髄細胞から、あらゆる細胞に分化する人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作り、目的の組織に分化させることで、病気の解明に役立つと期待されている。

 対象とする難病は、厚生労働省が調査研究対象として指定する130疾患。同大は昨年10月から、一般の希望者の乳歯や親知らずの歯髄細胞を将来の治療目的で保管する有料のバンク事業を実施しており、研究バンクは有料バンクを運営する再生医療推進機構(東京都中央区)の保管施設を利用する。【須田桃子】

2010.7.16 記事提供:毎日新聞社