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キラーバクテリアはあなたも持ってる可能性がある?

死亡の5人から耐性緑膿菌 札幌医大病院で院内感染か
厚労省が調査へ

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札幌医大病院(札幌市中央区)は8日、高度救命救急センターで、2006年10月から07年11月までに21人の患者から抗生物質の効かない多剤耐性緑膿(りょくのう)菌を検出し、うち5人が死亡したと発表した。厚生労働省は院内感染の疑いもあるとみて北海道厚生局に調査を指示した。札幌医大病院は感染当時、公表していなかった。

病院によると、21人のうち5人が死亡、8人が退院している。残りの8人の容体は調査中という。亡くなった5人はもともと重症者で60?70代。男性が3人、女性が2人だった。多剤耐性緑膿菌の検出について島本和明(しまもと・かずあき)病院長は「亡くなった患者のうち2人は耐性緑膿菌と死因との因果関係は否定できないが、残り3人は腹膜炎などで死亡しており、耐性緑膿菌との因果関係がない」としている。

島本病院長らは発生当時に院内感染と判断しなかったことについて「散発的な発生だったことや、感染経路を疑わせる情報がなかった」とした。その上で「現時点では菌が持ち込まれたのか、院内感染なのかどうか判定できない。今後、遺伝子検査などをして調べるとともに、予防や監視体制を徹底したい」と話した。

死者数をめぐり、厚労省などは当初、札幌医大の研究者が学会発表を予定していた論文情報を元に「7人死亡」としていたが、大学は8日夜の会見で「調べ直したところ、論文は間違いで、菌検出の死亡は5人だった」とミスを認めた。

多剤耐性緑膿菌は複数の抗生物質に耐性を持ち、抵抗力の弱い患者や高齢者が感染すると、肺炎などを起こし死亡するケースがある。

同菌の院内感染が疑われ、患者が死亡したケースは埼玉医大のほか、大阪大、長崎大などの各病院がある。

▽多剤耐性緑膿菌

多剤耐性緑膿菌 人の皮膚や気管、土壌などに存在する緑膿(りょくのう)菌のうち、複数の抗生物質が効かなくなった菌。耐性菌として有名なメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に比べ感染力は弱いが、効果のある薬が少なく、治療が難しい。抵抗力が弱い高齢者や入院患者らでは肺炎や敗血症などを起こし、死亡することもある。


2008.2.12 記事提供 共同通信社