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当院は麻酔器具、根治器具、外科器具などの衛生管理、針、麻酔液の使いまわし、根治器具の使いまわし、切削器具の使いまわしの起きないシステムを行っています。

患者4人からセラチア菌 点滴液は事務机に放置
三重県警が診療所を捜索

三重県伊賀市の診療所「谷本整形」で点滴を受けた女性1人が死亡、18人が入院した事件で、県は12日、患者4人の血液からセラチア菌を検出したと発表した。調合された点滴液のボトル容器が事務机の上に放置されたり、医療法で義務付けられた「院内感染対策の指針」が作成されないなど、谷本整形がずさんな衛生管理をしていたことも明らかにした。

県警は同日、業務上過失傷害の疑いで診療所を家宅捜索し、伊賀署に捜査本部を設置。県警は、9日に点滴を受けて敗血症を起こした患者十数人を被害者とみている。

捜索後に谷本広道(たにもと・ひろみち)院長が報道陣の質問に応じ、「1日約350人の患者が訪れ、(診療所の様子は)野戦病院状態。院内感染が発症する率は高かった」と、感染症のリスクを認識していたことを明らかにした。

一方、昨年10月に伊賀市の男性(85)が点滴中に悪寒を訴え、その後死亡していたことも判明。県警は遺族から事情を聴き、死亡と点滴の因果関係を慎重に調べる。

県や県警によると、患者19人はいずれも5月23日から今月9日にかけて、谷本整形で鎮痛剤とビタミン剤を生理食塩水に混ぜて調合する点滴を受けた数時間後に発熱や吐き気を訴え、5人の血液からグラム陰性桿菌(かんきん)類を検出。さらに精密検査で4人についてセラチア菌と分かった。2002年には都内の病院で患者7人が点滴でセラチア菌に感染、死亡している。

谷本整形の複数の看護師が「点滴液を作り置きしていた」と話しており、県警は診療所内で薬剤の作り置きが常態化して細菌などが混入、感染症の要因になったとみている。

県によると、複数の看護師が、患者らの出入りする「中待合室」や点滴室の事務机で点滴液を調合。その後、点滴液のボトル容器をふたのない紙箱に入れ、そのまま事務机の上に放置していた。手洗い用の布製のタオルも看護師らが使い回すなど雑菌が繁殖しやすい状態だったという。

谷本院長は11日の記者会見で点滴液の作り置きをマニュアルで禁じていたと説明していたが、それを裏付ける文書もなかった。

▽セラチア菌

セラチア菌 腸内細菌の一種で、流し場など水分のあるところで増殖する。病原性は低いが、免疫力が低下した高齢者や手術後の患者が感染すると、肺炎や腹膜炎を引き起こすこともある。ほとんどの抗生物質に耐性を持つ種類もあり、点滴などで血液中に入ると強い毒素を出し、健康な人であっても、敗血症や多臓器不全で死亡するケースもある。2002年に東京都世田谷区の病院で患者7人が感染して死亡。04年には横浜市の医療センターで患者2人が感染し、うち1人が死亡した。



2008.6.13 記事提供 共同通信社