歯科医に5百万円賠償命令 地裁「脳疾患の予見可能」
奥歯を抜歯する麻酔の際に脳梗塞(こうそく)の症状が出ていたのに、適切な処置を怠って後遺症を負ったとして、宮城県の男性が同県の歯科医に約3400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は12日、500万円の慰謝料の支払いを命じた。
沼田寛(ぬまた・ゆたか)裁判長は、麻酔後の男性に、しびれやふらつきなどの症状があった経緯に触れ「男性の脳疾患を予見できた。速やかに専門医へ転院させるべきだった」と指摘。
ただ「適切な処置をしたとしても後遺症を回避できた可能性は低い」として因果関係は認めず、精神的損害に対する慰謝料を認容した。
判決によると、男性は2005年10月、被告の歯科医院を受診。抜歯のため3度、麻酔薬を注射後に容体が急変し、別の病院で脳梗塞(こうそく)と診断されて治療したが、まひなどの後遺症を負った。
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