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ネコが新型インフルに感染 米アイオワ州、世界初か 【ワシントン共同】米獣医学協会は4日、米アイオワ州の飼いネコからH1N1型の新型インフルエンザウイルスが検出されたと発表した。 新型ウイルスはこれまで人以外にブタや鳥、フェレットから検出されているが、ネコからの検出は世界で初めてとみられる。ロイター通信によると、季節性インフルエンザウイルスはネコへの感染が過去に報告されており、イヌやウマも感染することがある。 今回のネコは飼い主から感染したとみられる。ネコ、飼い主ともに既に回復しており、ほかの動物や人に感染を広げた形跡はないという。 同協会は「飼い主はさまざまな感染症をペットにうつす恐れがある」として、ペットの健康状態にも気を付けるよう求めている。
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「輸入ワクチンの危険性が露呈」(世田谷通信)
世界的に拡大している新型インフルエンザ(H1N1型)だが、唯一の対抗策であるワクチンによる副反応で、死亡したり重病を発症する例が欧米で相次いでおり、市民団体や医療関係者が「ワクチン接種の危険性」を呼びかける広報活動やデモを起こしていることが分かった。 新型インフルエンザのワクチンには、もともとギランバレー症候群や筋萎縮症、不妊症や脳神経系の病気などを発症させる副反応が認められており、今回のワクチンでも、今年9月にワクチンを接種したアメリカ・ワシントン在住の25才の女性が、全身麻痺を起こし、現在も自力の歩行や会話、食事などができない状態だと報告されている。 今回のワクチンは、こうした重病の発症だけでなく、非常に死亡例が多いため、スイスでは10月30日付で政府が「妊婦と18才以下の少年少女への接種を禁止、60才以上の高齢者への接種は保健当局の勧告に従うように」と発表した。日本では10月19日よりワクチン接種を始めたが、国産のワクチンはわずか2700万人分しか用意できなかったため、厚生労働省は4950万人分のワクチンをスイスの「ノルバティス社」とイギリスの「グラクソ・スミスクライン社」の2社から輸入する契約を結んだ。 厚生労働省では国産ワクチン接種の優先順位を「医療従事者」「妊婦及び基礎疾患を有する者」「1才〜就学前の小児」「1才未満の小児の両親」としてるため、一般の国民のほとんどは輸入ワクチンを接種することになると見られている。国産のワクチンが鶏卵で培養されたものであるのに対して、これらの輸入ワクチンは犬の腎臓に由来する細胞で培養されている上に、免疫を強化する成分「アジュバント」が添加されている。この「アジュバント」は「副反応の発生する確率が高い物質」とされており、欧米では医師本人が接種を拒否している例も多い。 医療のプロである医師が接種を拒否しているのだから、その危険性は計り知れないものだと言えよう。しかし医薬品メーカーは「インフルエンザの流行はドル箱」だと見ており、今回、日本が海外2社からの輸入を決めたワクチンも、総額1126億円という通常の定価の2倍を超える法外な契約である。1976年にアメリカで豚インフルエンザが流行した時には、ワクチン接種によって死亡したりギランバレー症候群を始めとした重病を発症する患者が続出したため、アメリカ政府は最終的にワクチンを回収するに至ったが、そうなってからでは遅いのである。
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特集:新型インフルエンザに備えるシンポジウム(その2止) 重症化防止が大切に注意
◆開会あいさつ ◇総合生命科学部を来春新設--坂井東洋男・京都産業大学学長 京都産業大学(65年開学)が、社会の負託に応える大学、そして社会の先端の課題に果敢に挑戦する大学として創設されて今年で45年目になります。04年には創設40年を迎えるのを機に、社会の負託にどのようにして応えられるかという建学の精神に基づいた中期将来構想を作りました。 現在取り組んでいるのは天文台の学内建設で、12月に竣工(しゅんこう)の予定です。宇宙への夢とともに、萎縮(いしゅく)しがちなこの時代に宇宙的視野を持ってほしいとの思いです。 シンポジウムのテーマにもつながりますが、06年に鳥インフルエンザ研究センターを設置しました。この分野の第一人者である大槻公一先生を所長に迎え、国内外の研究機関と共同研究を進めています。 こうした研究力、そして知見を生かし、来年4月には総合生命科学部を新設します。生命のなりたち、地球規模での環境変化が動物植物に与える影響、動物と人間との共通の感染症--を考える三つの学科から成ります。ご理解とご支援をお願いします。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇家庭、取引先、地域と連携--山本光世・JOHNAN専務取締役 弊社は京都府宇治市に本社があり、テレビや携帯電話の電子部品などの組み立て、加工をしている。従業員は全国で1200人。 新型インフルエンザ対策は08年3月から始めた。従業員の生命・健康を守り、緊急時にもお客さま(取引先)に商品を確実に届けるという社会的責任のためだ。 2カ月分の食料やマスクなどの備蓄などだが、一番力を入れたのがマニュアルだ。マニュアルでは、危機管理委員会を開催して手洗い、うがいの奨励、マスクの装着などの対策内容を決めるとした。 6月には弱毒性ウイルスだとして、対策を緩和した。役員が指示しなくても、マニュアルに基づき社員が対策を推進した。仮に強毒性ウイルスが出ても心強いと思う。 自社でできることは限られるので、家庭、お客さま(取引先)、地域の企業と連携して対策を取るという三つを推奨している。 パートや正社員は、本人が感染したら出社を禁止して、有給休暇や無給の休暇が4日以上になれば傷病手当を出し、プラスアルファで一時見舞金を支給することにしている。賞与が多くない社員、パートやアルバイトなど時給で働く人は、体調が悪くても、無理をして出社し、感染が広がる可能性があるからだ。本人の生活・健康を守ることと、出社しないことを促すことを両立させる観点から手当てを行っている。職場復帰の判断については、平熱が3日間以上続くのを基準にしている。出社時は第三者が検温確認をする。 お客さま(取引先)と連携した対策とは、共通の対策ルールを策定すること。仮に前の工程の取引先が対策を取っていなければ、部品が納入されず、事業継続がむずかしくなるためだ。 地域の企業と連携した対策とは、同じ地域に立地する18社が協力して、出社可能な従業員が互いの業務を助け合ったり、倉庫や設備を互いに共有したりできないか、などの協議を進めている。 ◇「陰性証明」の請求自粛を--酒井英雄・大阪府医師会副会長 医師会が大阪府内の医療機関にどのような要請をしたかをお話しする。WHO(世界保健機関)が警戒度をフェーズ5に引き上げた時、医師会では府内でも感染者発生は避けられないとの見通しに立って対策本部を作った。5月にカナダから帰国した府立高校生らの感染が確認されると、府内の診療所の役割分担と、慢性疾患のある人への薬の長期院外処方をマニュアル化した。 やがて、神戸市で高校生が陽性となり、大阪・北摂を中心に中高生の感染が確認された。府医師会で抗インフルエンザ薬を持つ医療機関を調査すると、5人分持っているという医療機関は7割にとどまった。検査キットが全くないという医療機関も3割あった。新型インフルエンザに対する体制ができていなかったので、卸業者に検査キットと、抗インフルエンザ薬の流通をお願いした。 府内では「発熱外来はどこか」と問い合わせを受けた。発熱相談センターの電話番号は広報したが、発熱外来の場所は公表しなかった。外来の場所が分かると、軽症の人も多数訪れて、本当に医療が必要な患者を診察できなくなると予想されたからだ。センターには一番多いときで8000本の電話がかかった。このうち3分の2は「熱が出たかもしれない」というような内容だった。 医療機関にインフルエンザの「陰性証明」を求める学校や会社がある。簡易検査キットで検査をして「陰性」だったとしても、感染していないとは言い切れない。奈良で行われたインターハイ(全国高校総体)では、新型インフルエンザで学級閉鎖をした学校から出場している生徒がいたが、出場のために、医療機関に陰性証明を求めたという。 家族が新型インフルエンザにかかると、その親に対して勤務先が陰性証明を持って来るように求める場合もある。しかし、検査キットも不足している状況だ。医療機関は陰性証明を出さない。皆さんも医療機関に陰性証明を求めないでほしい。 ◇重篤度に応じた分担重要--大下達哉・大阪府保健医療室副理事 大阪府では、海外で感染が報じられると、速やかに電話相談を開始した。成田空港の検疫で府立高校の教員と生徒の感染が確認された際は、学校に「どう責任とるのだ」「帰ってくるな」といった声が寄せられるというバッシング被害もあった。 5月に府北部の私立高校で患者が確認された。国の行動計画は鳥インフルエンザ想定だったので、原則隔離入院させていたが、厚生労働省と掛け合い、軽症者は在宅で対応できるようにした。橋下徹知事と舛添要一厚労相(当時)が協議し一斉休校も決めた。 その後、感染ピークは収まり、初期の封じ込めは成功した。封じ込めで、医療体制や予算を整える時間ができ、効果はあった。7月からは、府医師会の協力で感染対策をした全医療機関で診療できるようになった。遺伝子検査で一人の感染も見逃さないようにするという体制も、その後、集団感染を把握する方針に変わった。 医療機関からは患者数の報告を受けている。季節性では例年、定点当たりの患者数は12月から1月が多い。今年は8月から上向き、現在は毎週約3万5000人の新たな患者が出ている。 今後は、感染拡大の抑制▽ワクチンの接種▽重症化を想定した受け入れ態勢の整備--といった対策が必要。患者1人がうつす人数を1割減らせば、感染者は総数で4分の1減る。咳(せき)エチケットは感染を広げないための取り組み。症状が出たらマスクをしてほしい。 感染しないことも大切だ。飛沫(ひまつ)感染防止に手洗いとうがい、そして栄養を取ることが大切だ。 重症リスクの高い患者への対応は、透析医会、産婦人科医会に受け入れを要請している。患者が増えると診療窓口は混乱する。開業医に対して、大規模病院に協力するよう要請した。新型患者の受け入れ可否を知らせる医療情報システムの整備も進めている。受け入れ余力には限度がある。重篤度に応じた適切な役割分担が必要だ。
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特集:新型インフルエンザに備えるシンポジウム(その1) 強い感染力に注意
国内で流行が続く新型インフルエンザに備えるシンポジウム「私たちのくらしをまもる、その方法とは」(京都産業大主催、毎日新聞社共催、大阪府、京都府後援)が今月10日、大阪市北区の大阪国際会議場で開かれた。市民の関心も高く、400人以上が参加した。大槻公一・京都産業大鳥インフルエンザ研究センター長(教授)の基調講演があり、企業や行政、医師会の担当者らがそれぞれ発言。榊原雅晴・毎日新聞論説委員の司会でパネルディスカッションが行われた。講演や発言、討論を詳報する。 ◆基調講演 ◇他人にうつさない心構えを--大槻公一・京都産業大鳥インフルエンザ研究センター長 インフルエンザウイルス(A型)は、外側にHA、NAと呼ばれるとげ状物質が多数ある構造をしている。HAは16種類あり、今回の新型インフルエンザはH1というタイプだ。当初、流行すると考えられていた鳥インフルエンザウイルスはH5だ。HAはウイルス感染の窓口となり、細胞にとりつく時に重要な役割を持つ。NAは細胞内でできた子孫のウイルスが細胞から分かれる時に必要だ。タミフルやリレンザは、NAの働きを阻害する。 インフルエンザウイルスの起源はすべて鳥インフルエンザウイルスだ。鳥インフルエンザウイルスとカモなどの水鳥は共存関係にあり、感染してもほとんど病気にならないが、ニワトリに感染すると、人と同じように“被害者”になる。ニワトリからニワトリへ感染する間に、強毒に変わる。その代表例がH5N1だ。 厚生労働省は新型インフルエンザは鳥由来のH5N1と想定し、プレパンデミックワクチンを約3000万人分備蓄し、行動計画も立てた。しかし、獣医学を専攻する私は、豚経由のウイルスが新型になって流行する可能性が高いと考えていた。 H5N1の人での流行の可能性を否定はしないが、他の可能性も考えねば足をすくわれる。豚は、鳥と人の両方のインフルエンザウイルスに感染する。今回の新型ウイルスが豚由来なのは、想定の範囲内だ。 人ののどと鳥の呼吸器では、ウイルスの受容体が1カ所違う。この違いで、鳥インフルエンザは人に感染しにくいと考えられている。一方、豚は両方の受容体を持ち、人と鳥のウイルスに感染する。同時感染すれば、豚の体内で新型ウイルスができると考えられる。 20世紀に出現した3種の新型ウイルス(1918年のスペインかぜ、57年のアジアかぜ、68年の香港かぜ)は、すべて豚の体内で作られ、豚から人に感染してパンデミック(世界的大流行)が起こった。例えばアジアかぜは、H1N1と別の鳥インフルエンザウイルスのH2N2が豚の体内で混じって生まれた新型ウイルスがパンデミックを起こしたものだ。厚労省が鳥インフルエンザを重視したのも当然だろう。 東南アジアでは養豚が盛ん。アヒルを飼っているところもあり、新型インフルエンザが発生する背景はある。しかし、今回は予想外の北米で発生が確認された。当初、米国からの航空機を対象にした対策が一番重要だと考えていた。しかし、7月ごろから、フィリピンやタイから戻った人で新型インフルエンザに罹患(りかん)する人が非常に増えた。どちらの国も米国と往来が頻繁で、感染者が多数出たのだろう。また、日本は厳重な検疫を敷いたが、フィリピンやタイはそこまでできなかったのだろう。今後の心配は東南アジアが感染の震源地になることだ。 今回の新型ウイルスは元をたどると4種類のウイルスに行き着く。HAは90年前と同じ古典的な豚ウイルス。NAは76年に鳥から豚に侵入した新しい豚ウイルスだ。いろんな種類の遺伝子が含まれており、これから世界の研究者らが競って病原性に関係する遺伝子を解明するだろう。 今回の新型で最も強調したいのは、人に対し、季節性ウイルスよりもはるかに強い病原性を持つ点だ。春に大騒ぎしたことは間違いではなかったのだ。今後の心構えのために、季節性より感染力もはるかに強いと考えるべきだ。 季節性インフルエンザの大流行は真冬に起きる。気温が下がると、人の免疫機能は弱まり、空気が乾燥すると、口の中の粘膜が露出し、ウイルスに感染しやすくなるためだ。 春になると、気温も上がり、人の抵抗力も強くなりウイルスに感染しにくくなる。ところが、今年は新型インフルエンザ流行がピークのまま、従来のインフルエンザ流行期を迎える心配がある。今年の冬、その次の冬は、相当大きな人的被害を起こすかもしれない。 そこで、今のうちに新型の封じ込めを図ることが重要だ。もちろん特効薬はないので、不幸にも感染したら、他人にうつさないことが重要だ。いろんな議論があるが、私はマスクが重要だと考えている。マスクをすることで、衛生の認識も高まる。みんなで行動すれば、それほど広がらずに済ませられるかもしれない。できるだけ早く手を打ち、人に感染させない心構えが重要なのだ。 ◆パネル討論から ◇薬の服用、処方を守って 大槻教授 当初の関西での流行時には、風評被害の対応に苦労されたと思うが、そのための方策ではどういうことが考えられるか。 大下氏 正確迅速に情報を伝えることだと思う。(今回の新型インフルエンザウイルスのケースでは)行政が当初から「大騒ぎするものではない」と伝えておけば、と反省している。 大槻教授 大阪府医師会では、医院によってタミフルや簡易検査キットが足りなかったということだが、現状は。 酒井氏 薬はほぼ足りている。検査キットは集団発生の可能性もあり、100人分が1週間でなくなることがある。今は検査キットが若干厳しい。 大槻教授 JOHNANは企業として非常に熱心に取り組んでおられる。一時見舞金制度は、無理をさせずに感染拡大を防ぐということで非常に有効な対策で、大変立派なことだと感じる。関連企業や近隣とも対策をということだが、業界には広がりつつあるのか。 山本氏 そういう機運が徐々に出てきている。「新型インフルエンザ」プラス「地震防災」ということで進めている。インフルエンザだけだとあまり連携できることがないが、地震対策と一緒ならやっていけるのではないか。 榊原 ワクチン接種について、効果や副作用はどのくらいあるか。またアレルギーのある人は、どの程度大丈夫なのか。 酒井氏 季節性インフルエンザワクチンでは、重大な副作用は数十万分の1の確率で起きるとされる。この数字は、打ったところが赤くなるという軽いものは含めていない。新型用のワクチンも作り方は季節性と同様なので、副作用も同じくらいの生じ方だろう。ワクチンはかなりの割合で感染を防げるし、なった人でも重症にならずに済むので、副作用がちょっとでも出たら許さんとは考えないでいただきたい。卵アレルギーは、専門家は心配はいらないと言っているが、強烈なアレルギーのある人はやめた方がいい。 大槻教授 補足すると、国産ワクチンは卵から抗原を作っている。輸入ワクチンは卵ではなく、培養細胞を使っている。両ワクチンでは違う性質の副作用が出るかもしれない。国内産か輸入物かは認識して接種を受けられた方がいい。 榊原 タミフルなど抗ウイルス薬はどの程度有効か。 大槻教授 現在のところはタミフルが効くことで間違いないのではないか。重症化を防ぐことが重要。できるだけ早く医療機関を受診して、タミフルで治療してもらうこと。それと薬の有効性を保つために、医療機関で処方された通りに使うことが重要だ。 ……………………………………………………………………………………………………… ■ことば ◇新型インフルエンザ 動物のインフルエンザウイルスが人に感染し、体内で増殖できるように変化した後、人から人へ効率よく感染するようになった新しいウイルスによって発症する。季節性インフルエンザと違い、人類のほとんどが免疫を持たないため感染しやすく、大流行につながる恐れがある。鳥インフルエンザが変異した場合、強毒型になると想定されていたが、今回の豚インフルエンザウイルス由来の新型は弱毒とされている。ウイルスの大きさは直径が1万分の1ミリメートル。中心にRNA(リボ核酸)という遺伝子があり、表面にHA(ヘマグルチニン)、NA(ノイラミニダーゼ)と呼ばれる二つのたんぱく質の突起がある。
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2万人中の副作用24人に 新型ワクチンの安全性調査 厚生労働省は30日、医療従事者約2万2千人を対象にした新型インフルエンザワクチンの安全性調査で、23日から29日に新たに嘔吐(おうと)や発熱など17人の副作用報告があったと発表した。接種が始まった19日からの合計は24人、うち入院相当の重い副作用は5人となった。 厚労省は「症状は季節性ワクチンと同様で、接種をやめるような重大な問題は発生していない」としている。 17人のうち、重い副作用と判断されたのは20代女性1人。接種4時間後に吐き気を催し、7時間後までに6回嘔吐したため入院し、翌日退院した。ほかは39度以上の発熱が8人、じんましんが4人など。 安全性調査の対象ではない病院で接種を受けた医療従事者の副作用報告は、29日までに計182人になった。発生率などは季節性ワクチンと同程度とみられるという。
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インフル感染拡大続く 7月以降累計317万人 国立感染症研究所は23日、18日までの1週間に全国約5千の定点医療機関から国立感染症研究所に報告されたインフルエンザ患者数は8万4976人、1機関当たり17・65人で、前週(6万1583人、12・92人)より増加したと発表した。患者の大半は新型インフルエンザとみられる。 この1週間に受診した新たな患者数は推計約83万人(前週約64万人)で、7月上旬(6日)以降の推計患者数は累計で317万人となった。 都道府県別では鳥取を除く46都道府県で報告数が増加。北海道が最多で1機関当たり57・93人。次いで愛知(31・78人)、福岡(29・08人)、神奈川(25・19人)、大阪(23・25人)、埼玉(22・97人)、東京(22・20人)、兵庫(22・09人)、沖縄(22・05人)、秋田(19・29人)の順。
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インフル50代男性死亡エンザ 福井県は23日、新型インフルエンザに感染した県内の50代男性が肺炎のため死亡したと発表した。糖尿病や高血圧などの基礎疾患があったという。死者は国内で30人目。 県によると、男性は9月27日に発熱やせきなどの症状で福井市内の病院に入院、タミフルの処方を受けた。10月11日に容体が悪化し、人工呼吸器を付けたが、23日午前に死亡したという。
新型インフルで3歳児死亡 東京都、国内最年少 東京都は22日、新型インフルエンザに感染した都内の3歳男児がインフルエンザ脳症の疑いで死亡したと発表した。基礎疾患はなかった。死者は国内29人目で最年少。 都によると、男児は19日夕、38度の発熱とせき、鼻水の症状が出たため自宅近くの診療所を受診、風邪の治療を受け帰宅した。20日午前に体温が40度近くに上がり、同じ診療所の簡易検査でインフルエンザA型陽性と判明、タミフルの処方を受けた。 20日夕、呼び掛けに応じなくなるなど自宅で容体が急変。別の病院に運ばれたが、間もなく死亡した。その後、遺伝子検査で新型インフルエンザの感染が確認された。
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免疫を増強する物質合成 すべての型に対応:インフルエンザ 徳島大の木戸博教授(生化学)らが、インフルエンザウイルスに対する粘膜免疫を増強する物質を人工合成することに成功した。微量のウイルス抗原と一緒に鼻やのどにスプレーすればインフルエンザの型に関係なく効果が期待でき、接種の簡単な「総合ワクチン」の開発に道が開ける。23日、日本生化学会(神戸市)で成果を発表する。 肺にあり、呼吸の際に肺を膨らませる働きを持つ物質「肺サーファクタント」が、免疫を増強する作用を持つことに着目。この物質とよく似たものを、ヒトが持つ3種類の脂質とたんぱく質を化学的に複合して作った。抗体を作る細胞に抗原を運び、活性化させるが、すぐに分解され、副作用はないという。 インフルエンザウイルスは、鼻やのどなどの気道粘膜で繁殖する。このため、注射より、スプレーで粘膜に直接投与した方が効果があるという。 木戸教授らはこれまでにこの肺サーファクタントを安定供給するため、人工合成に取り組んでいた。来年度から臨床実験を始め、実用化を目指す。新型肺炎(SARS)など気道の粘膜から侵入する他の感染症への応用も期待されるという。【林田七恵】
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日歯、優先接種を継続して要望 政府の新型インフルエンザ対策本部は10月1日、ワクチン接種の基本方針を発表し、優先的に接種する対象者などを示した。
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心理的視野狭窄の日本 香山リカのココロの万華鏡 結局、2016年のオリンピックは東京で開催されないことになった。がっかりしている人も少なくないだろう。しかし、多くの人にとっては「先のことより今のことで手いっぱい」なのではないか。 今年は、就職活動が難航している学生も多く、教えている大学で4年生に「12月が卒業論文の提出だけど……」と進捗(しんちょく)状況をきいても、「そんな先のことより、来週、会社の面接なんですよ!」と言い返されることがある。12月が“そんな先”とは思えないのだが、「それでも論文に取り組みなさい」とはとても言えない。 こうやって、ごく近い将来のこと、あるいはごく身近なことしか目に入らなくなることを、「心理的視野狭窄(きょうさく)」と呼ぶことがある。強いストレス状況でしばしば起きることだが、いったんそうなるといわゆる「長い目で見る」ことができなくなり、ストレスはますます増大する。次第に「この先、永遠にこんな苦しみが続くに違いない」と確信するようになり、心身はどんどん追い詰められていく。これは、心理的にも非常に危険な状況だ。 そう聞くと、ずっと先でもオリンピックの予定があって、それに向けて夢や希望を持つというのは、いま日本が陥っている心理的視野狭窄から抜け出るよい方法だったのでは、と思う人もいるだろう。しかし、そういう方法でピンチを脱出できるのは、ストレスがまだそれほど強くないときだけだ。状況の悪化が一定以上、進んでしまうと、「先のことなんてとても想像できない」「そんな未来は私にはやって来ないのではないか」と思うようになり、将来の楽しい計画も意味をなさなくなる。 オリンピック招致に力を入れていた人たちは、「日本はまだ大きな夢を目標にがんばることができる」と信じていたのだろう。しかし、民主党への期待が「福祉」「医療」に集中している現状を見ても、残念ながら“日本の病期”はもう少し先まで進行してしまっている、と考えられるのではないだろうか。 まず、やらなければならないのは目先のことだ。そして、それがある程度、落ち着いたら、心理的視野狭窄から抜け出るために、少し先の明るい計画、目標を立てる。“治療計画”はそういう手順が望ましいのではないか。オリンピックなどを夢見るのは、もう少し先がよいだろう。とはいえ、学生たちが「ほら、やっぱり目先の就職活動が大切なんだ、卒業論文になんてとても手をつけられない」と思ってしまったら、教員としてはそれはそれで困るのだが。
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新型インフルエンザ/ワクチンの流通スキーム決まる 厚生労働省が都道府県に提示 厚生労働省は19日にも流通させる国産の新型インフルエンザワクチンの流通スキームを、2日に開いた都道府県担当課長会議で示した。医療機関による偏在を解消して効率的な接種を可能にするため、都道府県からの依頼を受けて卸が医療機関に納入することなどが柱。厚労省が一定期間に生産された国内産ワクチンの全量を買い上げ、販売業者(販社)に統一価格で売り渡す。 流通スキームによると、厚労省が一定期間に製造された国産ワクチン全量を買い上げる。その後、厚労省が都道府県別の配分量を決めて、都道府県などに通知。厚労省が、国産のワクチンを販社に統一価格で販売する。販社は、季節性インフルエンザワクチンの数量シェアなどの情報に基づいて卸に対してワクチンを販売し、卸は購入した後に、都道府県に購入した分量を報告する。医療機関別の納入量などを調整した結果とすり合わせ、都道府県が卸に納入依頼を出して、医療機関に納入される仕組みが示された。 政府は1日の新型インフルエンザ対策会議で、国産ワクチンについては早ければ19日から、直接、新型インフルエンザ患者の診療に当たる医療従事者、妊婦や基礎疾患がある患者らを優先して接種する方向を打ち出した。厚労省はワクチンの生産ができ次第、順次流通させる方針。都道府県と卸だけではなく、卸同士の連携も求めて地域や医療機関でのワクチン偏在を防ぐ考え。 Copyright (C) 2009 株式会社じほう 地方自治体の担当者を集めて開いた会議で説明した。 計画では、20日に67万人分の出荷が続き、11月から始まる基礎疾患(持病)のある人と妊婦の接種にも使われる。妊婦向けには、あらかじめ注射器にワクチンが詰められているため防腐剤を含まず、安全面での懸念が少ないタイプも11月前半から出荷される見込み。 これに先立ち、都道府県は今月7日までに接種を行う医療機関を取りまとめ、厚労省はそのリストを、医療従事者以外の接種対象者向けに10月中に公表する。接種を希望する対象者は、リストに載った医療機関に個別に予約して接種を受ける。 当初の出荷量は限られるが、11月には465万人分、12月には760万人分などと増加が見込めるため、厚労省の担当者は「効率的に接種できる態勢を整えておいてほしい」と呼び掛けた。 また、スケジュールは対象者が全員接種を受けることを想定しているため、対象者の接種率によっては日程の前倒しもあり得るとした。10月中旬にまとまる国産ワクチンの臨床研究の結果次第では、1人2回必要な接種が1回で十分とされる可能性があり、その場合はさらに短期間に多くの人が接種を受けられる。 厚労省は当面、都道府県の人口比や優先接種対象者の人数を基に、都道府県ごとのワクチン配分量を決定するが、11月中旬以降をめどに、医療機関でのワクチン在庫量を把握しながら配分を調整するという。
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ぜんそく幼児…服薬、親もストレス ぜんそくの幼児を持つ母親の3人に1人は、薬を飲ませるのに困難を感じていることが、製薬会社の調査でわかった。 発作を引き起こす大きな要因の一つはストレスだが、幼い場合は、服薬自体が母子共に大きなストレスのようだ。 万有製薬(東京都)が8月、全国の気管支ぜんそくを持つ1-5歳の幼児の母親にアンケートを行い、721人から回答があった。 その結果、1、2歳の母親の5割が、1週間に1度以上、困難を感じており、全体でも36%にのぼった。うち4割は、子どもが薬を嫌がるなどで「次の服薬がおっくう」「服薬のたびに疲れ果てる」と答え、八つ当たりや夫婦げんかが増えた母親も1割ほどいた。薬を嫌がる理由は「味」が5割を占め、「うまく飲み込めない」がこれに続いた。 東京慈恵医大小児科医の勝沼俊雄さん(50)は「ぜんそくの治療は、最初の発作が治まった後も、気管支の炎症を抑える薬を1年程度続けることが必要。薬には、1日1回だけ飲む細粒、かんで飲むタイプ、甘いシロップなど様々な種類があるので、医師が各家庭に合った処方を工夫してほしい」と話している。
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歯磨きでがんリスク3割減 1日2回以上が効果的 3800人調査
1日2回以上歯を磨く人が口の中や食道のがんになる危険性は、1回の人より3割低いとの研究結果を、愛知県がんセンター研究所(名古屋市)がまとめた。全く磨かない人の危険性は、1回の人の1・8倍だった。 約3800人を対象とした疫学調査の結果で、歯磨き習慣と発がんの関連を示す報告は国内初という。横浜市で10月1日から開催される日本癌(がん)学会で発表する。 同研究所疫学予防部の松尾恵太郎(まつお・けいたろう)室長は「口やのどには発がん物質とされるアセトアルデヒドを作る細菌がいる。歯磨きで細菌や発がん物質が洗い流されるので、少なくとも朝と夜に磨けば、がん予防に役立つ」と話している。 同センターを受診した人の中から、口の中やのどなどの頭頸部(けいぶ)がんと食道がんの患者計961人と、がんでない2883人に、歯磨きや喫煙、飲酒などの習慣を聞いた。年齢は20〜79歳で平均は61歳。 解析した結果、2回以上磨く人は1回の人に比べ、がんになる危険性が約29%低く、全く磨かない人の危険性は2回以上磨く人の2・5倍だった。喫煙や飲酒をする人だけの解析でも同様の結果で、歯磨き習慣がないことが、ほかの危険因子と関係なく、独立したがんの危険因子であることを強く示すものだという
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「感染疑い」でも治療薬投与を…厚労省通知 新型インフルエンザに感染して死亡した横浜市の小学6年の男子児童(12)がタミフルなどの治療薬を投与されていなかったことを受け、厚生労働省は18日、感染の疑いがある患者については、感染が確定していなくても医師の判断でタミフル等の治療薬を投与できることを改めて周知する通知を都道府県などに出した。 横浜市などによると、男児は2日午前、高熱を出して医療機関を受診、簡易検査を受けたが陰性だった。この医療機関ではタミフルなどの投与を受けず、翌日に容体が悪化して入院した。
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H1N1ウイルスの排出は1週間以上持続する可能性があり、感染性の延長も起こりうる 19%の患者はウイルス排出が1週間以上持続し、オセルタミビル治療を行っても長期間の排出が発生することを研究者らは示している Barbara Boughton 【9月15日】(カリフォルニア州サンフランシスコ)2件の小規模研究は、H1N1感染患者の最大19%は1週間以上ウイルスを排出するようであり、最大10 - 16日間ウイルスを排出する患者もいる可能性があることを示唆している。 効果が認められなかったのは研究の標本サイズが小さかったためかもしれないが、長期間の排出はオセルタミビルによる抗ウイルス治療にかかわらず持続したと、研究者らは第49回抗菌剤と化学療法に関する学際学会(サンフランシスコ)で報告した。 カナダの研究の主任研究者である公衆衛生研究所の医学疫学者およびラバル大学(ケベック州ケベックシティ)の疫学教授、Gaston De Serres, MD, PhDによると、治験責任医師らはH1N1ウイルスが検出された患者が実際に感染性であるかどうかを評価しておらず、疾患に感染させるのに必要なウイルス排出量は依然として不明である。 博士の研究および同学会で発表されたその他の研究は、ウイルス感染患者を隔離すべき期間の長さに関する公衆衛生勧告に影響を及ぼすには規模が小さすぎたと、博士は付け加えた。しかしデータは、H1N1ウイルス分離検査を、熱が下がるのにかかる数日間を超えて延長する必要があることを示唆していると、De Serres博士はプレスカンファレンスで述べた。 米国疾病管理予防センターのガイドラインでは、インフルエンザの患者は熱が下がった後1日のみ外出を控えるべきだと指示している。「H1N1陽性患者はおそらく1週間以上、感染性であろう」とDe Serres博士は説明した。「人々は病気の患者の自宅療養期間を短くしたくなるが、それはおそらく賢明ではないだろう」と博士は述べた。 Serres博士と共同研究者らは、H1N1が確認された44例の患者がどのくらいの期間ウイルスを排出したかを研究するため、PCR検査とウイルス培養を用いた。19%の患者はH1N1の最初の検出から8日後に検査でウイルスが検出されたが、10日後までにウイルス培養が陽性の患者はいなくなったと博士は述べた。 中国の香港の研究者らが実施したH1N1患者73例に関する同様の研究では、ウイルス排出期間の中央値は6日間であったが、一部の患者はPCR検査で検出されたように最大16日間ウイルスを排出した。主任研究者であるTan Tock Seng病院(シンガポール)のDavid Lye, MDによると、発症7日後に40%の患者はPCR検査が陽性であり、10%の患者は10日目まで陽性であった。 シンガポールの研究のすべての患者には入院後5日間オセルタミビルが投与され、全員、PCR検査が陰性になった時点で退院した。インフルエンザ様疾患が78%の患者に認められ、発熱が89%の患者に認められたが、一部の患者は咳および咽頭痛のような症状のかなり軽症の疾患であった。 発症後最初の2日間治療を受けた患者と発症後2日以上治療を受けた患者の間に、ウイルス排出期間の長さの差は認められなかったと、Lye博士は述べた。「より長期間のウイルス排出が軽症例と合併例の両方に認められた」と博士は付け加え、軽症および合併症のあるH1N1疾患で治療を行わなかった患者と治療を行った患者の両方に関する、より多くの、より大規模な研究が必要であることに言及した。 シンガポールの研究の結果はウイルス排出が1週間以上持続することを示唆するが、それから導くことのできる結論は、標本サイズが小さいため限られていると、シンガポールの研究が発表されたセッションの司会をしたジュネーブ大学病院(スイス)のLaurent Kaiser, MDは述べた。「免疫応答性の成人におけるウイルス排出期間の長さを示す大規模な全国研究がないことが問題である」と博士は述べた。 「H1N1患者が5または7日後も依然として感染性であることは意外ではないが、患者が10日後のPCR検査で陽性であるという事実は、一部の患者は治療に耐性である可能性があることを示唆する」と博士は付け加えた。 Serres博士はGlaxoSmithKline社とSanofi社から研究助成金を受領していることを報告している。Lye博士とKaiser博士は関連のある金銭的関係はないと発表している。 49th Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy (ICAAC): Presentations K-1918a and V-1269c. Presented September 14 and 15, 2009.
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電話でタミフル処方OK 厚労省、現場に周知徹底へ 新型インフルエンザ感染者の急増による医療機関の混乱を防ごうと、厚生労働省は「再診に限り、電話による診察のみで抗ウイルス薬の処方を認める」との新対策を、先月まで2度にわたって都道府県に伝えた。しかし、現場に行き届いていないことが20日までの同省の調査で判明、あらためて周知徹底を図る。 対象となる患者は、慢性疾患があり定期的にかかりつけ医の診断を受けている人と、過去に発熱などの症状があり、同じ医師の診察を受けたことがある人。いずれも医師が薬の投与に問題がないと判断することが条件。 処方せんは患者が希望する薬局に医師からファクスなどで送られる。患者には外出自粛を求め、家族らがタミフルなどの薬を受け取る。患者本人は医療機関に足を運ぶ必要がなくなる。 医師法20条は、医師が薬剤を処方する際、原則として患者に直接会って診察しなければならないと定めているが、厚労省は「過去に直接診察を受けた患者に限っての措置なので、この規定には該当しない」と判断。5月と8月にそれぞれ、この方式を認める通知を都道府県に出した。 しかし同省が今月になって取りまとめた調査では、自治体側から医療機関に周知されているのは27道府県にとどまっていることが判明。同省は「医療現場からの問い合わせも多く、きちんと情報が伝わっていない」として、現在再改定を検討中の「国内対応の運用指針」に通知内容を盛り込むなどして徹底を図る。 7月に感染が急拡大した英イングランドでは、感染が疑われる人が医師の診察を受けずに電話やインターネットによる自己申告を通じて抗ウイルス剤を入手できるシステムを導入。その後、感染のペースが落ちたという。 運用指針の再改定をめぐっては、医療機関の負担軽減に向け、集団発生の把握中止を明記することや、ワクチン接種の優先順位を盛り込むかどうかについても調整している。
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