参考:6月29日(水) 21時00分~22時54分/4ch 日本テレビ
命を奪った刺身のツマ
スーパーの刺身パックにも入っている刺身のツマを食べた女性が亡くなりました。
1993年横浜に住むある夫婦。食事の30分後、妻は腹痛と吐き気に襲われ嘔吐しました。しばらくすると夫も同じように嘔吐を始め病院に運ばれました。
食中毒で病院へ運ばれた夫婦、夫の症状は治まったものの妻は死亡しました。あの時、刺し身のツマでオゴノリを酢の物にして食べていました。この季節、横浜・野島海岸では潮干狩りが行われており、海岸で簡単に採れるのがオゴノリでした。
食品として流通しているオゴノリは業者が加工処理を施したもので、食中毒を起こした夫婦は海岸で採れた生のオゴノリを食べていました。食中毒事件を鑑定した野口玉雄教授は、オゴノリの持つ酵素が一緒に食べた魚の脂質の成分と体内で反応を起こしプロスタグランジンE2という中毒を起こす物質を作ったと分析。新鮮なものほど酵素の働きは活発で女性に強く影響します。国内で3件起きており、オゴノリ食中毒の死者はすべて女性でした。市場に出回っているオゴノリは石灰水に浸け酵素の働きをなくしており、その過程で緑色になっています。
毒を持つ魚の恐怖
築地市場でシガテラ毒騒動が起きました。スジアラとバラハタは見た目が似ており、スジアラは1万円で取引される高級魚ですがバラハタはシガテラ毒を保有する可能性があります。今年4月、バラハタがスジアラと勘違いされ売られてしまいました。購入したのは中華料理店で蒸し魚として提供されました。そこで健康を害したという報告はありませんでした。よくバラハタが水揚げされる沖縄の鮮魚店を尋ねるとバラハタが売られていました。沖縄では長年バラハタを取り扱っている漁業関係者が毒の有無を見分けられるといいます。バラハタであれば全長48cm以上、重さ2kg以上は毒の保有率が高いです。生息海域や季節によっても毒の保有率は異なるといいます。
庭に生えた危険な草
我々の身近にはまだ危険な食べ物が数多く存在します。島根県出雲市に住む陰山民子さんは2014年5月、ニラ入りのトマトソースパスタを食べると胸がムカムカしました。トイレに行くと楽になりましたが、一緒に食べた父親も調子を崩し病院に搬送しました。
パスタを食べた陰山民子さん家族が食中毒を起こし病院へ搬送されました。夕食を食べる前、家の畑に父が刈り取った新鮮なニラがありました。刻んでる時、民子さんはにおいがあまりしない事に気付いていましたが彩りを加えるため使いました。実はスイセンの葉で、葉の形がニラと似ているため間違えて食べてしまう場合があります。スイセンはニラに比べて葉の幅が広く草の丈が高いです。違いはニラ特有のにおいがない事。食べると下痢・嘔吐などの症状を引き起こすリコリンが含まれていました。今月5日にも青森でニラと間違えてスイセンを食べた3人が救急搬送されていました。消費者庁も危険を訴えています。
家族を襲ったある野菜
2008年、山形県でユウガオのスープを食べた親子が食中毒を起こしました。ユウガオには苦味を出す個体があり、食べると腹痛・下痢・嘔吐などの症状を引き起こすククルビタシンが含まれています。通常、この成分が人体に影響を与えるほど含まれている事はありませんが苦味を感じたら食べないことが重要です。
突然毒を持った貝の謎
1987年、カナダ・プリンスエドワード島でムール貝の食中毒が発生し3人が死亡しました。その原因はドウモイ酸でした。海中に生息する植物プランクトンのケイ藻の一部などが作り出す毒物で毒性は非常に弱く体内に入った場合、胃腸炎の症状を引き起こす事はあります。しかし、大量に摂取しない限り命を脅かすことはありません。しかし、プリンスエドワード島産のムール貝にはドウモイ酸が大量に含まれていました。カナダ・アメリカ・EUなどではドウモイ酸の基準値が設けられ出荷前に検査されています。小瀧裕一准教授は日本のムール貝は安全だと話しました。
親子の命を奪った料理
インドネシア・バリ島でオーストラリアから旅行に来ていたノーリーン・ビスチョフ親子が突然、酷い下痢や嘔吐に見舞われ命を落とし宿泊先のホテルが徹底的に調べられました。遺体はオーストラリアへ運ばれ解剖、その結果原因はマヒマヒという魚でした。亡くなる前夜、この魚のフライを食べていましたが毒を有する物ではなく料理にも使われています。魚にはヒスチジンというアミノ酸が含まれており赤身の魚に多いとされています。ヒスチジンが微生物の働きによりヒスタミンという化学物質に変化。ヒスタミンを一度に100mg以上食べるとヒスタミン中毒を発症します。すると食後1時間程度で下痢・嘔吐・頭痛・蕁麻疹などの症状が現れます。日本でも給食や食堂などで出された魚料理が原因でヒスタミン中毒を引き起こした例があります。しかし、死に至ったケースはありません。親子の死亡診断書にはぜん息とありました。ヒスタミンは気管支の筋肉を収縮させる作用があるため、ぜん息・気管支の筋肉の収縮により呼吸が困難になった可能性があります。ヒスタミンを作り出す微生物は温度が高いほどよく働くためヒスタミンを増やさないため低温で保存するのが良いです。
愛する猫で命の危険
2010年、イギリス・サマセット州でシングルマザーのチェルシー・アン・ドッドと長女・スパークル、飼い猫チェスニーが暮らしていました。猫は赤ちゃんに攻撃的にならず、大切にしている空気を感じ取ってると言われています。2010年11月26日午後7時、スパークルが高熱を出し病院に運ばれました。その病名は細菌性髄膜炎でした。脳髄膜液に細菌が侵入し髄膜が炎症を起こすという症状で、細菌が脳に達すると脳の機能にも影響を及ぼすため放っておくと確実に死に至ります。致死率は成人で約20%、生存しても約30%は後遺症があります。原因を調べると猫が持っている菌だと判明しました。
スパークルが細菌性髄膜炎を起こした原因は、猫が持つパスツレラ菌でした。猫や犬などが口に持っている菌で空気感染はせず、なめられたり引っかかれたりすると感染します。パスツレラ菌に感染すると蓄膿症、髄膜炎、肺炎、気管支拡張症を引き起こします。傷口に入ると化膿し壊死することもあります。母親が目を離した隙に猫が娘に触れる何かを舐めたのか、猫が舐めた手で触れたか、猫に舐められた布や手を口に含んだ可能性もあります。パスツレラ菌は人体に大きな影響を及ぼす事は少ないです。感染しても免疫細胞の力で菌は死んでしまいます。しかし、乳幼児・高齢者・持病のある人など抵抗力が弱い人は注意が必要です。キスなど過剰な接触を避ける、触れた後は手を洗う、乳幼児とペットに目を離さない事で感染は防げます。スパークルには有効な抗生物質が投与されました。あれから5年半、スタッフがサマセット州にある自宅を訪ねました。
愛する猫で命の危険
猫の持つ菌により命の危機に瀕したスパークルの現在を取材。スパークルは5歳になっていました。猫のチェスニーはあれ以来、近くに住んでいるチャルシーの母親に預けていますが頻繁に会いに行ってるといいます。
なぜかサーファーに多い危険なアレルギー
2014年3月、小端宏幸さんは9時過ぎに朝食を摂り姉の引っ越しを手伝いました。午後2時、腹に痒みを感じ見てみると蕁麻疹ができ異様にだるくなっていました。息苦しさも感じ発疹は全身に渡っていました。近くの個人クリニックへ行きますがアナフィラキシーショックで応急処置を受け大きな病院に運ばれました。その日の昼食は五目ごはんのおにぎりを全員で食べ、朝食は五目ごはん、キムチ、納豆でした。その日はアレルゲンを特定するため血液を採取しました。ところがその検査では原因は特定できずある医師を紹介されました。猪又直子医師はすぐにプリックテストを行い納豆だと突き止めました。ネバネバ部分のポリガンマグルタミン酸が原因でした。納豆アレルギー患者の多くがサーファーで日焼けしているという共通点もありました。猪又直子医師の元にかよっていた納豆アレルギー患者の一人が中華料理店で食事をした後、アナフィラキシーショックを起こしました。幸いアドレナリン自己注射薬を処方されていたので事なきを得ました。
スタジオトーク
後藤輝基は奥さんと食事をした時に奥さんがトイレへ立ってから戻らなくなった事に気付きスタッフに見てきてくださいと言ったらトイレの中で倒れていたといいます。奥さんがアボカドアレルギーを持っている事を知っていましたがソースに含まれていた事が分かりました。笑福亭鶴瓶は「うちのやつはマンゴーあんなに好きだったのにそれで当たった」と話しました。
なぜかサーファーに多い危険なアレルギー
納豆アレルギー患者がアナフィラキシーショックを起こした料理の中にクラゲが含まれていた事が分かりました。クラゲは毒針を刺す時にポリガンマグルタミン酸を作ります。食材のクラゲにもそれが含まれており、アナフィラキシーショックを起こしたと見られます。長い時間海にいる事でサーファーは何度もクラゲに刺されます。そして皮膚からポリガンマグルタミン酸が入りアレルギーにかかります。ポリガンマグルタミン酸は食品添加物として様々な食品に使われています。さらに化粧品などに保湿成分として入っている事もあります。
誰もいなくなった村
数年前まで普通に生活していた村がゴーストタウン化しました。村はギリシャ・ロポト。学校もあり、教会は人が集まっていました。しかし村は突如崩壊し瓦礫の山となりました。ロポト村に住んでいたヨーゴスさんによると、4年前、地下水が溜まりすぎたといいます。大雨が連日続き、ゆるくなった地盤が崩れたといいます。地すべりは今も続き、1回の異変で15cm沈み込む。けが人・死者は出ていませんが人々は村を離れざるを得なくなりました。政府は未だ調査すらしようとせず、救済金も支払われていません。
早死する町の真実
ロシアで平均寿命40代の町があります。モスクワから東へ420kmにあるジェルジンスク。町中心部は活気があり整備されています。町の人に話を聞くと噂は本当のようでした。答えはボルガ川付近にありました。川岸には大量のドラム缶があり、化学薬品の廃棄物でした。東西冷戦時代、多くの工場が並び、化学兵器が作られていました。そして大量の廃棄物を川に捨て、70年間も続けられました。土壌検査をすると190種類以上の化学物質を検出し、メタクリル酸メチルは、中核神経・内分泌器などの器官に障害を起こしがんを誘発させるものであります。有害物質は水道に出たり、蒸発したり埃となり空気中に漂います。現在人口は23万人がまだ住んでいます。ジェルジンスクは今も多くの化学薬品工場が並びます。鉄道の路線があり原材料の運搬に便利で、工場移転するには採算が合わないためだといいます。町の空気成分を分析するとフェノール、アンモニアが高い数値で検出され、フェノールは通常の4倍で、腐食性があり皮膚に触れると火傷します。これにより、次々喘息を発症しています。職業病の患者は4000人で国内平均の8倍です。
この町の産業は化学薬品工場しかなく町の人はそこで働くしかないといいます。現在多くの工場で有害物質を減らす取り組みをしています。化学兵器の廃棄については汚染された地域を埋め立てる対策のみとなっています。この作業も予算面で滞り放置されています。タンザニアの村の両腕がない女性は白い肌が原因で男に腕を切り落とされたといいます。アルビニズムはメラニン色素を持たない遺伝子疾患で、皮膚、体毛が白いことが特徴です。アフリカ東部は世界で最も発症率が高いです。タンザニアではアルビノの身体を手に入れると幸せになれるという迷信があります。アフリカ各地では呪術師の存在が生活に欠かせなく、中にはアルビノを神がもたらした特別な存在と考える者が今もいます。身体は奇跡を招く薬で幸運と繁栄をもたらすと考えられてきました。富裕層は呪術に多額の金をかけるため、アルビノのブラックマーケットまで成り立ちました。迷信によりアルビノを襲撃する事件が後を絶ちません。タンザニアの運営する養護施設はアルビノの子どもたちを受け入れ守っています。ですが入所した子どもは外で生活できないままです。
家電・パソコン恐怖の汚染
全て家電製品が正しくリサイクルされ処分されているわけではありません。ある国に膨大な量が捨てられています。チェルノブイリ原発事故より深刻な地域があるといいます。ガーナのある地域です。首都アクラは活気に溢れ、野口英世記念館などもあります。汚染地域は首都中心部に近いところにあります。日本メディアとして初めて足を踏み入れます。アグボグブロシーは今、電子廃棄物でうめつくされています。その広さは東京ドーム32個分です。さらに電子廃棄物が燃やされ有毒ガスが巻き散らかされています。
環境ジャーナリストのマイクによると捨てられるようになったのは1991年くらいからだといいます。人口は7万人です。ダニエルは小さな村出身でここに住んで5年になります。ここで暮らし働き故郷に仕送りしているといいます。ダニエルは排気冷蔵庫で作った小屋で仲間7人程と暮らしています。再利用不可の電子機器を扱う店でダニエルは壊れたパソコンモニター2台を15円で手に入れ、再利用可能な金属を取り出します。ケーブルを取り出し燃やし中の金属を取り出しました。この行為が有毒ガスを発生させています。さらに毒性の塊を湿地帯の水で冷却しています。抽出した金属部分を売り、日で300円程稼ぐといいます。1kgの金属を抽出するのに、100kg以上のケーブルを燃焼しています。有毒物質も川に流れ汚染された水になっています。電子機器は先進国から来たものです。アクラ郊外のテマ港には毎月コンテナ500個分の中古家電など陸揚げされます。それらは中古家電店に商品として並びます。ガーナで中古家電の売上高は年間250億円です。しかし2、3年で使えなくなります。問題はほとんど再利用不可能で中古品として輸入されていました。バーゼル条約で電子廃棄物の国境を越える移動は規制されています。しかしわずかな中古品を盾にゴミが送られています。ガーナに送られる中古品で89%がゴミです。
ガーナに再利用不可の電子機器が送られる理由は開発途上国へ輸出すると1500円で買い取ってくれるためです。ダニエルのように燃やすことのできない13歳の少年は磁石で金属くずを集め金にしています。そしてこの地の少年の身体に異変が起き始めていました。
ダニエルの身体に異変が起きています。ガーナ大学の調査チームがアグボグブロシーで定期的な健康調査をしています。煙など吸い、有毒ガスがたまり、血液から高濃度の鉛が検出され、がんになる可能性が高いといいます。アグボグブロシーの異変を6年間に調査した愛媛県原子力センターの大塚さんによると、重金属類など有害物質が環境中に高濃度で放出されているといいます。ヒ素、アンチモンが基準値の10倍、鉛は基準値の100倍になります。重金属が流れた川には生き物の姿は見られなくなりました。さらに水銀の問題があり水俣病のような事態になる可能性もあるといいます。近くを流れる汚染川はギニア湾に進んでいます。
家電を燃やした生じる有害物質で川は汚染され、河口の漁師に話を聞くと魚は市場に並ぶといいます。アグボグブロシーで食用の牛・ヤギ・鶏が食用で育てられていて、汚染の土地の周りに野菜市場、商業施設が並び、アグボグブロシーは230万人が暮らす首都の真ん中にあります。近くの小学校などでも煙がくると黒板が見えないこともあり、咳をする生徒も増えたといいます。周辺に住む母親の母乳から、ポリ塩化ビフェニルが基準値の82倍で検出されました。さらに新生児が睾丸に奇形を有する状態で生まれた症例も出ています。病気の実態、患者数は正確に記録されていません。
土壌汚染が深刻なガーナ。燃やした金属類はガーナで消費されず、ヨーロッパ・日本などが輸出先となっているといいます。
リサイクルの名の裏で平然と行われる先進国のエゴ、このあと実態が明らかになります。
テマ港沖に停泊の船の多くが電子廃棄物を搭載しています。クリスマスが終わるとガーナに運ばれる電子廃棄物の量は5倍に増えるといいます。先進国でクリスマス前に家電など買い替えを一斉にするためです。電子廃棄物の量は増え続け、去年は5000万トンです。日本は最大の排出国のひとつなのです。