梅の効果医学的証明へ インフル予防を臨床実験

参考:2016年4月5日 (火)配信 紀伊民報

 和歌山県田辺市とJA紀南でつくる「紀州田辺うめ振興協議会」は、和歌山大学や県立医科大学と共同で梅のインフルエンザ・風邪の予防効果を臨床実験します。機能性表示食品として商品化につなげたいといいます。「梅は風邪に効く」ことを医学的に証明し、梅のブランド強化を図る狙いもあります。

同協議会の研究で、梅干し製造過程で出る梅酢から調整した梅酢ポリフェノールに、インフルエンザや風邪症候群ウイルスの増殖を抑制する効果が確認されています。人体への影響を調べるのは初めてです。

臨床実験では、梅酢ポリフェノールのインフルエンザや風邪症候群の予防効果を評価します。被験者は200~300人で、梅酢ポリフェノールか、治療効果のない薬プラセボのいずれかを摂取する二つのグループに分けます。どちらを摂取しているかは、医師からも被験者からも分からないよう検査します。

外出先でも手軽に摂取できるように梅酢ポリフェノールは製剤化します。今年末から来年春にかけ、紀南で試験します。予防効果が証明されれば、インフルエンザや風邪予防のサプリとして製薬会社と商品化に取り組みます。事業費は1200万円。市が900万円負担します。

田辺市梅振興室は「梅は健康にいいといわれながら、医学的な証明がなかった。良い結果が出れば、サプリの開発はもちろん、梅産業全体に与える影響は大きい」と期待しています。2017年度に実験データをまとめ、18年度に学会で発表。製品化は19年度以降の見込みです。

【機能性表示食品】

健康への効果や安全性について科学的根拠を、企業が消費者庁に届け出れば、商品パッケージに表示できる。昨年4月に規則緩和で始まった。

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