参考:03月19日(土)21時00分~21時54分/TBS
世界ふしぎ発見! 「アンチエイジングも!花粉症も!脳も!知られざる腸内細菌パワー」【3月19日放送】
今日の不思議の舞台は”私達の体”。腸の中に暮らす100兆個もの微生物が人体に及ぼすパワー、腸内細菌ミステリーに迫ります。腸内細菌はそのパワーで更年期障害を和らげ、シワを薄くすることも可能だといいます。
スタジオでは千原ジュニアの体重を計測。彼の体重67kgの内、腸内細菌は1.5kgもの割合を占めているといいます。まずは腸内細菌の原点を探しにブルガリアへ渡ります。
腸内細菌 ブルガリアの長寿村
人間の腸に住む細菌は善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3つに分類され、そのバランスが健康に深く関係しています。イリヤ・メチニコフはヨーグルト長寿説を唱え、よく食べられるブルガリアでは非常に安価な値段で売られていました。ソフィアを後にしてブルガリアの長寿村を目指します。
スモーリャン地方では今もヨーグルトを自分で作る人が多いといいます。民家でヨーグルトを作る様子を見せていただくと、作業は牛の乳搾りから始まり、牛乳を沸騰させてかき回すのです。それを毛布に包んで家の温かい所に6時間おけば完成となります。
ブルガリア人のヨーグルト消費量は年に30kg近くもあり、日本人の4.5倍。どんな風にヨーグルトを摂っているのかトドロヴァ夫妻の1日の食生活を見せて頂きました。朝ご飯はバニリアというお米入りのパイ。それにパンとヨーグルト。一人分の量は285gもあり、全ての料理にヨーグルトが使われていました。翌日、前日に置いておいたヨーグルトが完成。ムサカというジャガイモとひき肉のグラタンにも沢山のヨーグルトをかけ、ヨーグルトドリンクまでが食卓に並びました。
当時メチニコフは、このような食生活が長寿の要因だと考えていました。ヨーグルトを食べれば乳酸菌が悪玉菌を抑制し、寿命を延ばせると唱えたのです。ヨーグルトが長寿に直結しているのか、村で長い間医者を務めてきたフリストさんに聞きました。村では水や空気が綺麗なこと、そして人々がよく働くこと、そこにヨーグルトが加わり、全てがセットになって長寿の原因になっているといいます。
「キセロ・ゼレという発酵食品の材料は?」との問題が出題されました。正解は「キャベツ」。黒柳徹子だけが正解となりました。
花粉症 知られざる腸内細菌パワー
国民的なアレルギーと言われる花粉症、それを腸内細菌の力で改善することが出来るといいます。被験者は花粉症に苦しめられている6人の若手芸人。彼らには1月下旬から3月上旬の6週間、発酵食品を毎日100グラム摂取してもらい、花粉症が改善されたかチェックします。
最初に配られたヨーグルトのような食品は、実は漬物であることが明かされました。ヨーグルトのような食品の元になった漬物は、長野県・木曽町で食べられる「すんき」。普通の漬物は塩で漬けますが、すんきには乳酸発酵させた漬物なのだといいます。
すんきに注目したのが元信州大学教授の保井久子さん。すんきの中には何十種類もの乳酸菌が含まれ、アレルギー症状を軽減するSn26が発見されたのだといいます。そこでSn26乳酸菌を豆乳に入れて発酵させた「すんき豆乳」を用意。それらを被験者に食べさせていました。
2月中旬、6人全員が去年の同じ時期に比べて花粉症の症状が緩和していました。そしてスギ花粉がピークになった3月上旬に最終チェックを迎えます。花粉ピーク時でも2/3の被験者に症状の改善が見られました。
シワが薄くなる 驚異の腸内細菌パワー
次に紹介するのは腸内細菌の若さを保つ作用。今回は年齢に伴わない美しさを持つ女性達に集まって頂きました。女性は更年期を迎えると女性ホルモンの分泌が減ってしまいます。エクオールはその働きを補い、更年期障害や骨粗しょう症などを軽減してくれる効果があるといいます。またエクオールはシワを少なくするという研究も発表されています。エクオールの量は5段階に判別され、レベル3以上がエクオールを作れている人となります。
実は今回集まって頂いた皆さんにも検査に協力していただき、内2人がエクオールを作れていることがわかりました。エクオールを作ることが出来ていた二人の共通点は、大豆製品を毎日摂取していること。エクオールは腸内に住むこれらの菌がダイゼインという物質を原料に作るため、大豆の摂取が重要なのです。
若さを保ってくれるエクオール、しかしそれを作り出せる菌は日本人の半分しか持っていません。エクオールを作れない人はどうすれば良いのか、更年期障害に詳しい高尾医師に聞きました。ご自身にとってのお通じのペースがちゃんと保たれているのが重要であり、日本人の腸にあった大豆を摂るのが効率的だといいます。
「大豆の他にダイゼインを豊富に含む食品とは?」との問題が出題されました。解答者は「こんにゃく」「寒天」「くず」の3択から選びます。正解は「くず」。
腸内細菌 アメリカの最新研究
花粉症の実験で、被験者の1人は乳酸菌を摂ることでメンタルに変化があったと言い出しました。UCLAのマイヤー氏によると、腸と脳は神経で結ばれ、お互いに指令のようなものを出し合っています。そのうちの7割は腸から脳へ出されているといいます。腸内環境をコントロールすることで、自閉症やうつ病などの症状を治すことが出来るのでは、と考えられていました。
心の病も腸から改善!?
新宿溝口クリニックの溝口医師は、腸内環境の改善をうつ病などの治療に取り入れています。精神疾患の原因の一つから栄養素の欠乏症が起きていると考え、ビタミンなどを投与する治療法をとっていました。先生に治療を受け、実際にうつ病が完治したという竹田真琴さんは、受験のストレスが原因でうつ病を患い、一年間寝たきりの生活を体験したといいます。投薬で改善が見られなかった彼女は溝口先生の病院へ足を運び、ビタミンや乳酸菌のサプリを摂ることで腸の内壁の状態を改善させました。その後症状はどんどん良くなり、今では子育てしながら週に5日も働いています。
日本古来の発酵食品
腸内細菌は認知症とも関係しているといいます。発酵食品を使って症状を改善しようとしている医師が香川県にいました。桑島靖子医師が注目した発酵食品とは「甘酒」。先生が診察をする老人ホームで毎日コップ1杯の甘酒を摂ってもらうと、定期的なお通じ、認知症の改善などが見られたといいます。これらの変化は甘酒に含まれる乳酸菌が、腸内環境を良くしたことが原因と考えられています。
桑島先生が勧めるのは市販の甘酒ではなく、材料にこだわった自家製。地元で麹を買って帰り、ヨーグルトメーカーを使って甘酒を作っていました。主に健康な人の体に日常的に存在する菌、常在菌は地元食品から多く摂取できると考えられています。
「石川・富山でカブに挟んで発酵させる食品とは?」との問題が出題されました。正解は「ブリ」。