実はロシアや中国のワクチンの方が欧米のワクチンよりも効果的な可能性はありますか?

参考:Quora

Shin Goto, ラスベガス在住
回答日時:2月12日

現在、ロシアが製造しているワクチンはウイルスベクターワクチンです。ロシアの発表では91.6%の有効性があるとされています。

ちなみに同じウィルスベクターワクチンでイギリスのアストラゼネカ社のワクチンがありますが、有効性は70%となりましたが、実験結果(1回目の接種量を半分に減らした物)によっては90%の有効性が認められました。ただ、この実験結果は症例数が少ないので参考程度にしか認められていません。

ロシアとイギリスのウイルスベクターワクチンの違いは、ロシアが「ヒト」のアデノウイルスをウイルスベクターに使用しているのに対し、イギリスは「猿」のアデノウイルスをウイルスベクターに使用している点です。いずれにせよ、アデノウイルスをウイルスベクターに使用している時点で、2回目以降の接種は効果が薄れるか無くなります。これは人間が「アデノウイルス」に対して免疫をつけてしまい、ワクチンが体内に入ってこなくなるからです。

中国では現在2社(シノバックとシノファーム)がワクチンを製造していますが、どちらも「不活化ワクチン」です。「不活化ワクチン」とはウイルスを無毒化した上でワクチンとして使用するという、非常にオーソドックスなワクチンで安全性は極めて高い(歴史がある為)ですが、一般的には有効性は高くないとされています。そして、65%程度の有効性があると発表された中華ワクチンですが、最近のブラジルの試験では50.4%の有効性しかないと発表されました。いずれにせよ、それほど有効性は高く無いようです。

アメリカのモデルナ社やドイツのバイオンテック社が開発したワクチンはmRNAワクチンです。これは最新の技術でワクチンとして承認された初の物となりますが、基礎研究は10年以上行ってきましたし、2019年にはインフルエンザワクチンとして臨床試験まで行っていました。これらのワクチンは95%の有効性を臨床試験でだしました。その後、イスラエルでこれらのワクチンを使用した大規模接種が行われていますが、92%ぐらいの有効性がでたと中間発表しています。


結局の所、有効性はmRNAワクチンを使用しているモデルナもしくはファイザー(バイオンテック)の物が一番高く、次にウイルスベクターワクチンを使用しているロシアもしくはイギリスの物、そして不活化ワクチンを使用している中国の物という順になります。

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