コロナ患者の真菌感染増加 インド医師らが警鐘

参考:2021年5月11日 (火)配信AFPBB News

 

【AFP=時事】新型コロナウイルス感染が爆発的に拡大するインドで、新型ウイルス感染中や回復後に、死に至る恐れもあるまれな真菌感染症「ムコール症」を患う人が増えています。同国の医師らが10日、AFPに明らかにしました。

 人口世界2位のインドでは10日、37万人近くの新規感染が確認され、累計感染者数は2270万人に迫っています。同日の死者数は3700人余りでした。

 インドの医師らが「黒い菌」と呼ぶムコール症は、他の感染症により免疫が低下した人が患うことが多い。医療専門家らによると、インドではムコール症患者がここ数週間にわたり増加。同国の保健省は9日、ムコール症治療に関する指針を公表しました。

 西部グジャラート(Gujarat)州コロナ対策タスクフォースのメンバーで、同州最大都市アーメダバード(Ahmedabad)の感染症専門家アトゥル・パテル(Atul Patel)氏はAFPに対し、「回復後の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者のムコール症発症例が、パンデミック(世界的な大流行)前の報告数の4~5倍近くとなっている」と語っています。

 州営病院のデータによると、グジャラート州ではこれまでアーメダバードを含む4都市で約300件のムコール症発症が報告されました。同州当局は、州営病院に専用の特別治療棟の設置を命令。金融都市ムンバイのある西部マハラシュトラ(Maharashtra)州のタスクフォースメンバーの医師によると、同州でもムコール症発症が300件近く確認されました。

 政府対応を主導する学術機関インド医学研究評議会(ICMR)はツイッター(Twitter)に投稿した図で、「ムコール症は治療されなければ死に至る恐れがある」と指摘しています。【翻訳編集】 AFPBB News

インド・ニューデリーの宴会場を一時的に改装して設けられた新型コロナウイルス治療センターで療養する患者(2021年5月10日撮影)。(c)Arun SANKAR / AFP

 

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