うまくいっていたはずの韓国のコロナが大変なことになっているようです。その原因が、どうやら、”コホート処置”にありそうだとか。コホート処置というのは、どんなものでしょうか?

参考:Quora

Youji Hajime, イギリス在住
回答日時:1月4日

韓国では検査の徹底やコロナ追跡システムでコロナを封じ込めたというのが欧米で「定説」になった時期があって、英国では一時期はとにかく検査数を上げれば政府の支持率が上がったなんて時期がありました。英語版のQuoraで「検査万能説は危険」、病院や老人施設の職員に集中的に検査するのは意義はあるが、社会全体で検査するのは擬陽性や偽陰性があることを考慮すればその効果は眉唾なんて回答を書いてもほとんど無視されました。

自分は韓国での封じ込めの成功の本当の理由はとにかく感染の疑いのある人を隔離したことが本当の理由。コロナ追跡システムの効果は感染の可能性のあるスポットをプライバシーほぼ無視で一般に公開することで事実上の自粛を促したからではないかと思います。ですので、基本的に効果あるのは外出を自粛するのが第一。それができないならマスク着用、三密の回避。で、最後には感染者および感染疑惑者の隔離以外にはないのではないでしょうか。

特に感染疑惑は検査でなくて自己の症状認識が一番確実だと思います。検査なんて高熱が出るとか咳が止まらないとか症状が相当に進まないと精度は高くありません。で、そんな段階で検査で陽性と分かって隔離しても既に他の人に移してしまっている可能性大。それよりも、体の調子がなんとなくすぐれないとかの自覚症状がある人が自発的に外出を避ける。家で休んで治す。隔離する。三密を避けるというのが一番効果があると思います。結局は社会全体でマスクをするなどの行動規範や各個人の善意が大きくかかわってくると思います。

その点、日本もそうですが、韓国でも出勤を自発的に控えれるような生活保障などのサポートを渋るような側面もあったのではないでしょうか。もちろん、コロナに関わる生活保障は莫大な財政出動が必要です。それに比べれば検査の充実は安上がりですので、どうしても検査に頼りたい、検査充実でコロナ問題が解決してほしいという気持ちは分かります。でも、国民全体に対する検査は頼りにならないというのは専門家が何度も言っていたと思います。その点、台湾はいまだにコロナ対策では政府の生活支援も充実しておりコロナ対応に関しては優等生であると思います。まあ、気候が温暖であるというのも有利に働いているとは思いますが。

韓国は政府の権限が日本よりも強いのでより強制的な措置が可能であるようです。で、中国のように強制的な隔離政策でとにかくコロナの拡散を封じ込めようとしているようです。中国では例えば団地で感染者が出ればその団地の出入口には警官が警護に当たり、人の出入りを禁止できるようです。で、韓国のコホート処置というのは社会全部をロックダウンするのではなく発生者周辺を局地的にロックダウンするというやり方です。問題は、イギリスでもロックダウンを開始した最初の数週間は家庭内での感染がグンと拡大しました。ですのでコホート内で感染が増えることは確かですが、各家庭や職場や学校の交流は遮断されるので、コホート内での感染拡大が一通り終わると、感染者数は減少する傾向にあります。

ですのでコホート処置はまず、最初の感染拡大に対する応急処置にあたり処置の最初は確かに感染者数は一時的に上がりますが、感染拡散を分断する効果があるのは事実であると思います。ただし、この場合のコホート処置は局地的なロックダウンですので、ちゃんと感染を潰しているのかという疑問があります。コホート内で感染が一時的に拡大する。しかも全体の感染拡散防止にはそれほど効果がないとなれば、次は社会全体でロックダウンするしかありません。逆に、コホート処置を過信してロックダウンを導入を遅れてさせすぎて後悔するなんてこともあります。

で、韓国の検査陽性結果の移行を見ていますと12月後半でピークの様ですので効果はあったと評価できるのではないでしょうか。ついでに、冬は免疫力が低下するので、同じ感染者数でも発症者数や重症化数は増えます。ですので十二月にも関わらず、感染者数(つまり発症者数)を頭打ちにしたというのは感染抑制が非常にうまくいったということになります。

一方の日本ですが感染者数(発症者数)がいつまでたっても頭打ちにならずコンスタントに増えています。感染・発症(検査陽性)・重症化。死亡にはアバウトで四週間の時間差があります。ていうことはこれから重傷者や死亡者がコンスタントに増えていくということです。安倍政権の時は緊急事態宣言もギリギリのタイミングで何とかうまく乗り越えた感がありますが、今回はいまになっても緊急事態宣言を検討なんてのんびりしすぎではないでしょうか。これから冬は三か月。こんな調子でこのまま無策ですと二月ぐらいで手に負えなくなるのではないでしょうか。まあ、英国ですと日本の半分の人口で一日死者900人以上出たりしていますので、それから考えればまだ大丈夫というのは確かではありますが。

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