参考:Quora
Tainaka Shigeru, 英語(言語)に詳しい
回答日時:8月1日
互いに仮想敵としている国同士です。仮に何らかの意図があって中華人民共和国海軍(PLAN)の潜水艦が東京湾への侵入(浮上でも潜水でも)を試みても、湾口に達するずっと前の日本の排他的経済水域に入った付近で幾つかある探知網にかかり、ピンを打たれて侵入など出来ずに帰って行きますよ。(東京湾内だと潜水が困難な浅い箇所が多い訳ですが……)
探知網の代表が、日本版SOSUS網と呼ばれる水中聴音ネットワークです。PLANの潜水艦はまだ騒音が大きいので、これに探知されずに日本本土沿岸には到達できません。そしてPLANの潜水艦が南西諸島を越えたり対馬海峡や宗谷海峡、津軽海峡を越えたりすれば、海自の対潜哨戒機と潜水艦で追跡を受けますよ。
総計61隻あるPLANの潜水艦の内、魚雷発射管しか持たない攻撃型ディーゼル潜48隻+1隻(1隻は試験用潜水艦)は戦略級の驚異ではないので大陸側の母港から出てもおおよそ無視されますが、最大射程(推定)7200kmの単弾頭核ミサイル”JL-2”(巨浪-2)を各艦12発搭載している戦略ミサイル原潜”晋級”6隻や、戦略核は搭載していないはずだが戦術核搭載疑いのある攻撃型原潜”商級”6隻が不明の作戦で母港を出れば、米日の潜水艦が追尾を始めるでしょう。そして、音響観測艦や対潜哨戒機などが、意図不明な動きをする艦と連動して策動しそうな海域を中心に、まだ探知できていない水中の潜水艦を探します。現実に攻撃が始まるリスクの有無に関わらず、そうやって訓練も兼ねて仮想敵の動きを常に把握しているのです。
そもそも、戦略ミサイル原潜が母港を出て海中で作戦行動している段階で、米海軍/海自は緊張を強いられるんですよ。日本やその中にある在日米軍基地へは、いつだって核ミサイル攻撃が可能で、しかもイージス艦のSM-3やPatriot PAC-3といったBMDでは対応が困難な距離です。
とにかく…開戦前の仮想敵国と言えども、東京湾に敵艦が入る事はありません。