参考:藤井厳喜の『ワールド・フォーキャスト』より
THE OWNER 2021/05/29
BBC NEWS 2021年1月29日
<from:藤井厳喜>
日本を攻撃しろという6分程の
ビデオなんですけれども、
これが突然出てきました。
7月11日に、これがチャイナの
インターネットにアップされて
2日間で200万回も再生されたほど
大人気だったんですね。
これもう日本にとっては
大問題なことで、
もちろん政府が言ったわけでは
ないんですけれども、
そのような世論がチャイナには
歴然として存在するということなんですね。
今回は、このチャイナの対日核攻撃
威嚇ビデオについて解説します。
これは、中国共産党の
本音なんじゃないかと思います。
どういうことかというと、
台湾問題に日本が干渉してきた場合は
日本に核攻撃を仕掛ける。
日本が完全に無条件降伏するまで
何発でも核爆弾を落とせという、
かなり衝撃的で、反日的な
気持ち悪くなるぐらいの
威嚇的なビデオです。
これは民間人が挙げたということに
なっておりますけれども、
何らかの、軍と関係のあるグループや
人がやったものだと思います。
これは習近平にとっては迷惑な話です。
アメリカと日本を切り離して
日本を単独で扱えることができれば
いくらでも核兵器の脅しができます。
日本に対して、
明日正午に、人民解放軍が上陸する、
妨害したら核兵器を落とすぞといえば、
アメリカの後ろ盾が日本に無ければ
日本はこれに屈せざるを得ないでしょう。
我々は沖縄県を占領する、
文句があるんなら核兵器を落とすぞ
と次々にいけば、そのうち日本全体が
占領されちゃいますよね。
これは日米同盟がなければ、
日本以外の他の国にも
適用されるということです。
ですから、このビデオというものは
中国共産党の本音だと思います。
ですが、今それを言われちゃうのは
習近平さんにとってはおそらく迷惑です。
なぜなら今、習近平はもう一回
日本を騙して、日本にどんどん
対チャイナ投資をやらせて、
お金と技術をまた吸収しようと
しているわけですよね。
アメリカやヨーロッパはだんだん
騙されなくなってきたので、
最後にもう一回騙すのは
日本しかないということですね。
お人好しの日本人をもう一回
騙してやろうということですから
これは本音なんですけど、
習近平からすると、
なんでそんな本音を今、
言うんだよということですよね。
習近平にとって迷惑ということは、
おそらく反習近平派の勢力つまり
江沢民を中心とする勢力が背後にいて、
彼らが後押しして、
このビデオが世に出るという形に
なったんじゃないのかな
というふうに私は思います。
ところが、日本の
チャイナウォッチャーの人たちは、
いや、これは習近平の本音じゃない
こんなことで大騒ぎすべきじゃない
と火消しに必死なんですね。
これは、大した問題じゃない
と言っている人は中国共産党に近い
チャイナウォッチャーと、
中国共産党のためにやっている
チャイナウォッチャーだと
この場で私は断定していいと思います。
日本人としては、
大騒ぎしなきゃいけませんね、
大避難すべきですよね。
核兵器を持っていない日本に
核兵器を落とすなんて
とんでもないじゃないかと。
特に私は、
日本の反核運動をやっている人達に
大きな声をあげてほしいですね。
日本は核兵器を持っていない国
なんですから、
その日本を脅す中華人民共和国は、
なんと野蛮で酷い国なんだと。
もしこんなことをやったら
日本人の多くは、やっぱり
核兵器を持たないと
日本を守れないと思っちゃいますよ。
それは反核運動をやっている人達が
一番困るわけです。
だとしたら今一番大きな声で
中国共産党を避難しなきゃダメですよね。
ここで中国共産党を避難しない
反核運動というのは、
日本の国益を考えての
本当の平和運動とか
反核運動じゃないと私は思いますね。
結局、外国や中国共産党などに
操られている、日本を弱体化するための運動。
その言い訳として反核、日本に
核武装をさせないと言っている
人たちなんじゃないかと思います。
ご本人が自覚している、していないに
かかわらず、力学的にいうと
そういうことになります。
核保有国が一番やっちゃならないのは
非核保有国を核兵器で脅かすことですよね。
そんなことをしたら、世界中の国が
やっぱり核兵器を持たざるを
得なくなるんですよ。
今、本当に核兵器がいかんのだと、
全人類は核兵器を廃絶すべきだ
と思っている人たちは、
声の限り中国共産党に対して、
なんでこんなことを言うんだ、
おかしいじゃないか、
インターネットに載るだけでも
けしからんと言っているわけです。
それに対して中国共産党は
知らんぷりをしているんです。
中国共産党が、その人間を処罰するとか
そのアカウントを永久凍結するとか、
そして、これは一部の意見だったので、
本当に申し訳ない。
中国共産党政権は全く
そんなことは考えていないと
謝罪をするならば我々は、
当面は、習近平政権は日本に対する
核の威嚇をしないんだと信じてもいいですよね。
ところが、
何の謝罪も処罰もありませんから
そのまんまにしておるわけです。
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米中戦争勃発の可能性も?中国の「台湾武力統一」引き金となる3つのシナリオ
中国と台湾は、依然として緊迫状態が続きます。直近ではWHO(世界保健機関)年次総会参加を巡り、熾烈な応酬が繰り広げられるなど、関係は悪化の一途をたどっています。その一方で、米国は長年にわたり維持してきた、「戦略的あいまいさ」の見直しを迫られる時期に突入しました。
台湾、5年連続でWHO総会に招待されず 「中国の嘘」に強く反発
5月下旬から開催されるWHO(世界保健機関)のオンライン年次総会に、台湾の参加が認められなかったのは、今年で5年連続です。背景には、『一つの中国(=台湾は中国の一部)』原則を主張する中国の強い反対があります。
しかし、中国外務省の華春瑩報道官は5月中旬の定例記者会見で、「中央政府は『1つの中国』原則下で、台湾が参加できるように適切な手配をしている」と発言しました。このように阻止の事実を覆い隠そうとする中国に対し、台湾が猛烈に反発しました。呉釗燮(ごしょうしょう)外相はTwitterで、「中国が台湾の参加のために適切な手配をしている、中国ほど台湾のことを気にかけている国はないといった発言は恥知らずな嘘だ」「中国が新疆ウイグル自治区やチベット、香港でしてきたことを見れば、誰がそんな嘘を信じるのか」などと、矢継ぎ早に批判しました。
台湾侵攻の引き金となる3つのシナリオ
中台の対立が加熱する中、「レッドライン(平和的解決に至らず、軍事的解決に移行する一線)」を越える可能性が懸念されています。
中国は台湾統一の手段として武力行使という選択肢を排除しておらず、米国も中国の侵攻から台湾を保護する手段として、同等の選択を迫られる事実を否定していません。つまり最悪の場合、台湾を巡って米中戦争が勃発する可能性がゼロではないということです。
CIA(米国中央情報局)の元シニア・インテリジェンス・オフィサー、ジョン・カルバー氏いわく、中国がレッドラインを越えるシナリオは3つあります。一つ目は台湾が主権国家を目指し、中国からの独立を試みるというもの、二つ目は台湾が中国の武力行使に備えて、核兵器の開発・確保に動いた場合です。三つ目は「台湾が第三国と過度に親交を深めている」と中国が判断したときで、いずれのシナリオも、米国の「影」が背後にあります。
中国を最も苛立たせているのは、米国が台湾の「武装」を後押ししている事実でしょう。米国から台湾への兵器売却はトランプ政権下で急加速し、2020年10月の時点で台湾が武器購入に使った額は、年間国防予算をはるかに上回る、総額174億ドル相当(約1兆8,925億円)です。そして、台湾が「先制攻撃を仕掛けることはないが、対中国防衛準備を前倒しで進めている」ことを明らかにすると、中国は台湾に売却する武器の製造元である米ロッキード・マーチンなどに、制裁を科す形で報復に出ました。
米国の介入はそれだけではありません。台湾軍との軍事演習を実施するなど、「いずれ台湾に米軍基地を設置するのではないか」と一部でささやかれるほどの勢いで台湾に助力しています。
米中台の関係を巡る複雑な歴史
米中台を巡る背景には複雑な歴史があります。
1972年、当時の大統領だったリチャード・ニクソン大統領の中国訪問は、「世界の歴史を変える瞬間」として大きな波紋を呼びました。出迎えたのは中国の初代最高指導者毛沢東主席です。米中関係和解の裏には、中国・ソビエト連邦の関係悪化やベトナム戦争(1955~1975)年、冷戦(1945~1989年)などに絡む両国それぞれの思惑がありました。
興味深いことに、会合後に発表された米中共同声明の一部分に、ニクソン大統領は最後まで合意しなかったといいます。『米国は台湾が中国の一部であることを認識し、それに対して異論を唱えない』という下りです。
「一つの中国」という主張を完全に受け入れたのは、1977年に就任したジミー・カーター大統領でした。カーター政権は1979年、米中の外交関係を樹立し、台湾について「中国大陸と台湾がともに一つの中国に属する」と認めました。
当時、上院議員だったジョー・バイデンを含む共和党員および民主党員は、この決断に異論を唱えて台湾との関係を維持するため台湾関係法(TRA)を可決し、米台の継続的な経済および安全保障関係を法典化しました。これにより米国は防衛目的で台湾に武器を供給し、台湾の平和が危機に晒された際には対抗措置をとることが法的に可能になりました。
米国の「戦略的あいまいさ」を巡る議論
ここで重要なのは、米国は台湾の防衛に惜しみなく力を貸しますが、自国の立ち位置はあくまでもあいまいなままにしてきた点です。TRAには「台湾へのいかなる武力行使も、米国は深刻な懸念と見なす」と記されていますが、台湾が侵攻を受けた場合に米国がどのように対応するのかについては、具体的な明言を避けています。この辺りが「戦略的あいまいさ」などと称される所以です。可能な限り中国を刺激せず、台湾への武力行使を回避させたいという意図がうかがえます。
バイデン政権発足後もこのような潮流が急に変化するとは考え難い反面、米国内では「戦略的あいまいさ」の見直しを迫る動きが活発化しています。直近では、インド太平洋軍のフィリップ・デヴィッドソン提督や、ジョン・アクイリーノ提督が上院軍事委員会の公聴会で、「予想より早く中国が台湾に侵攻する可能性がある」とし、米国の対応を明確にするよう提案しました。
脅威?けん制?割れる専門家の見解
台湾の中原クリスチャン大学のジョセフ・ファン教授は、現状について「嵐の前の静けさだ。中国は侵攻に最適な時期を待っているだけ」と懸念を露わにしています。米国ジャーマン・マーシャル財団アジアプログラムのディレクター、ボニー・グレイザー氏は、「中国が虚勢を張っているだけとは思えない。レッドラインを越えればたちまち事態は武力化する」と警告しました。その一方で、中国が日常的に軍事的示威活動を行っている事実を挙げ、台湾への脅威もそのひとつと楽観視する意見もあります。
台湾は今後も、国際的支援を要請すると共に防衛力を強化し、台湾の主権と民主主義、自由の保護のために戦う構えです。日本も台湾有事阻止に向け、日米声明を通して重い腰を上げました。中国の台湾侵攻が現実となるのか、それとも可能性で終わるのか。世界が固唾を呑んで見守っています。
文・アレン琴子(オランダ在住のフリーライター)
中国、台湾独立は「戦争を意味する」アメリカは台湾支援を約束
中国国防省は28日、台湾の独立を目指す動きに対し、「戦争」という非常に強い表現を使ってけん制しました。
中国はこのところ、台湾周辺での軍事行動を活発化。中国軍の戦闘機を飛行させるなどしています。
一方で、台湾はアメリカのジョー・バイデン新政権の発足を歓迎し、台米関係の緊密化を目指しています。
そうした状況で28日、中国国防省の「戦争」発言が出ました。
米政府は同日、声明を出し、台湾の防衛力の充実に支援する姿勢を強調しました。
<関連記事>
中国は台湾を自国の一部とみています。しかし台湾は主権国家を自認しています。
「台湾独立は戦争に」
中国国防省の呉謙報道官は28日の記者会見で、「台湾独立を目指す勢力に、本気で告げる。火遊びをする者はやけどを負う。台湾独立は戦争を意味する」と述べました。
呉氏はまた、最近の中国軍による台湾周辺での軍事行動を正当化。「現在の台湾海峡における安全保障状況に対処し、国家の主権と安全を守るために必要な行動だ」と主張しました。
BBCのロビン・ブラント上海特派員は、中国当局の報道官が「戦争」を口にするのはまれで、中国は平和を愛する国だと強調するのが常だと説明します。
しかし台湾問題だけは別で、今回の国防省報道官の発言は、中国が最終的には戦争も辞さない構えだと受け止めるのが妥当だろうと、ブラント記者は解説しました。
これに対し、米国防総省のジョン・カービー報道官は同日、「今回の発言は残念なもので、台湾関係法が定めるアメリカの義務を果たそうとする私たちの意図とまったく合致しない」と記者団に述べました。バイデン政権が中台問題で声明を出したのは、これが初めてです。
カービー氏はまた、「台湾を巡る緊張が衝突へと至らなくてはならない理由は、まったく見当たらない」としました。
20日に発足したバイデン政権は、米中関係が悪化する中、人権、貿易、香港、台湾など幅広い問題で中国に圧力をかけ続けるとみられています。
中国と台湾の対立
中国と台湾は1949年に国共内戦が終わった後、別々に政府を樹立。中国は長年、台湾の国際的な活動を制限しようとしてきました。また、双方とも太平洋地域での影響力を争ってきました。
近年、双方の緊張は高まっており、中国は台湾を取り戻すためには軍事力の使用も排除しない考えを示しています。
台湾と正式に国交を結んでいる国は少数に限られています。ただ、民主的な選挙を経て構成された台湾の政府は、多くの国と強い通商関係や非公式な関係を築いています。
アメリカは多くの国と同様、台湾とは正式な国交を結んでいません。一方でアメリカの台湾関係法は、同国が台湾に自衛の手段を提供するよう定めています。また、台湾へのいかなる攻撃も、アメリカは「深刻な懸念」とみなすと強調しています。