認知症の国家戦略 危機感で総合的取り組み

参考:2015年1月27日(火) 配信 共同通信社
2015年1月28日(水) 配信 朝日新聞

◆認知症、国家戦略を決定 予算大幅増の161億円 医療、介護など七つの柱

政府は27日、認知症の対策強化に向けた関係閣僚会合を開き、省庁横断の国家戦略「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」を決定しました。

2025年には認知症の高齢者が700万人、65歳以上の5人に1人の割合に達すると見込まれることから、今や誰もが関わる可能性のある病気だとして「よりよく生きていくための環境整備」を目指します。

認知症になっても安心して地域で暮らせる環境の整備が急務とされ、15年度当初予算案で、認知症施策に前年度比66億円増となる約161億円が確保されました。

同戦略では以下の七つの柱が掲げられています。
▽理解の普及・啓発の推進
▽適時・適切な医療・介護等の提供
▽若年性認知症施策の強化
▽介護者への支援
▽高齢者にやさしい地域づくりの推進
▽予防法や診断法等の研究開発
▽認知症の人や家族の視点

安倍晋三首相は会合で「認知症への対応は世界各国の共通課題だ。安心して暮らせる社会を実現し、世界のモデルとなる取り組みを進める」と述べました。

七つの柱の一つ「適切な医療・介護の提供」では、発症間もない段階での発見と対応に繋げるため、歯科医師や薬剤師らへの研修を新設。また、かかりつけ医や専門医、介護事業者が連携して本人らを支える新たな仕組みも16年度からの導入を目指します。

「予防や診断、治療法の研究開発」では、15年度末までに早期に診断できる方法を確立し、20年ごろまでに根本的治療薬の治験を始めるとしています。

このほかにも同戦略は、消費者庁や警察庁、経済産業省など省庁間の連携を強化。

徘徊による行方不明が年間1万件に上ることや、投資詐欺といった消費者被害や交通事故、虐待などが問題として顕在化していることから、徘徊による行方不明を防ぐための見守り体制つくり、詐欺被害の防止、家族らの負担を軽減するための介護ロボットの開発などを進めていく予定。

国家戦略は、あくまでこうした問題への対策のスタートラインに立ったに過ぎず、絵に描いた餅とならないためにも、政府は着実に推進することが求められます。

◆認知症、共生の時代

同日、認知症の本人中心の団体「日本認知症ワーキンググループ」のメンバーが安倍晋三首相と面会。認知症政策に関する意見交換をしました。

前出の新オレンジプランでは、本人の思いの重視も掲げられています。

かつて「何もわからなくなる病気」と受け止められてきた認知症ですが、近年は顔も名前も隠すことなく公の場で語る当事者が増え、少しずつその理解が進んでいます。

また、65歳未満の「若年性認知症」の人は2009年公表の調査で推計約3万8千人とされています。

40代、50代で発症する人も少なくなく、働き盛りの世代で、就労の継続や家事、育児など高齢期とは違った生活課題が問題となってきます。

現状では、そういった若年向けのサービスが不足しており、家族の負担も重くあります。国家戦略では、都道府県への相談窓口の設置や、就労の継続支援の充実なども盛り込まれています。

若年性認知症の本人や、介護する家族が安心して職場や学校に通える仕組みの一刻も早い整備が求められます。

Dr.堤より
歯周病の進行による、骨吸収や奥歯の抜歯と、噛み合わせの変化と咬合低位が起こす、認知症や鬱、脳神経障害がまだ知られていない。
若い頃からの歯のケアで高齢になっての噛みわせは大きく変わる。脳へ影響が大きい
ので、幼少期からの歯列ケアや矯正なども予防歯科として、国は保険へ導入すべき。

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