参考:03月22日(火)12時30分~13時45分/テレビ朝日
高齢者を脅かす病、肺炎。街の人たちは軽い病と考えている印象ですが、歌舞伎俳優の中村梅之助さんと女優原節子さんは肺炎で亡くなっています。またここ30年で死亡者数が5倍になり、日本人の死亡原因第3位になっています。
肺炎は自覚症状がないため気付いた時には重篤な状態になっている場合もあり、また再発を繰り返す患者も多いです。また専門医は「65歳がひとつのターニングポイント」などと話します。厚生労働省の発表では肺炎で死亡する9割以上が65歳以上の患者となっています。さらに今年はインフルエンザの流行が遅れたため、肺炎とインフルエンザを併発させる可能性もあります。
肺炎を患っている久保高信さんは、インフルエンザと喫煙が要因になっていると宮上泰樹医師は話します。肺炎は初期症状は風邪や花粉症、インフルエンザに近いですが、病状が急激に悪化するのが特徴。
ひたちなか総合病院で診察を受けた女性はその典型で、先月に風邪と診断され薬を処方されましたが、胸を締め付けられるような痛みに襲われ、痛みは右脇の下へ移動、痛みに耐えかね、ひたちなか総合病院へ行き診察を受けると、肺炎球菌性肺炎と診断されました。肺炎球菌は主に軌道の分泌物に含まれ唾液などを通じて飛沫感染、65歳以上の方が感染した場合には症状や合併症が重くなる傾向があるといいます。女性は9日間の緊急入院をしたが、咳が止まらず胸の痛みや熱でうなされました。
女性を襲った胸から脇への痛み、これも肺炎が引き起こした胸膜炎だと寺本信嗣教授は語ります。退院後初の検診を受けた女性は、非吃ぢき薬による治療が必要と診断されました。また別の女性は過去に2回肺炎で入院しましたが、今回も肺炎の診断を受けました。65歳以上の肺炎患者は再発しやすいという。肺炎はほうっておくと急激に悪化するので、わずかな異変に気付き、病院の診察を受けることが重要。
川崎市立川崎病院の救命救急センターに緊急搬送された90代の肺炎患者女性。1時間半前に呼吸状態が悪化し現在は意識不明。女性のレントゲン写真を見た野口啓副医長は「重篤の肺炎患者で、救命できるか分からないぐらい重症」などと話しました。野口医師たちは気管挿管を施すなど賢明な措置を行い、血液中の酸素量が90%台まで回復しました。女性はこのあと意識を回復し3週間後に退院しました。
肺炎の原因と対策について寺本信嗣さんがスタジオ解説。肺炎は広義にとると幅広いですが、特に注意しなければならないのが肺炎球菌などの細菌による肺炎。肺炎の原因菌は数多くあり、中でも肺炎球菌が原因の約25%を占めます。
寺本さんは肺炎症状のポイントとして食欲がない、元気がない、呼吸が速いという3つを挙げ、このような症状が4日続いたら注意が必要。高齢者の場合は症状だけでなく診察時にX線写真を撮るのが良いです。予防法として歯や舌を磨く口腔ケアをすることが挙げられます。また肺炎球菌に対しては予防接種が効果的で、平成27年度に女性が定期接種により受けられる対象を一覧で紹介しました。
お口のお手入れは、喉から気管、肺とつながった粘膜の炎症として、免疫力の差上がった時に
感染拡大して、肺炎となるいわゆる誤嚥性肺炎が典型だ。