独特の呼吸法が関係?…海女さんの血管年齢、実年齢より10歳以上若く

参考: 読売新聞 2016年4月20日 

 海女の血管年齢は、実年齢より10歳以上も若い――。こんな調査結果を、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)などの研究チームが発表しました。

 心疾患の新たな予防法開発などにつながる成果といいます。成果は米国の専門誌に掲載されます。

 チームは千葉県南房総市白浜地区と三重県の志摩・鳥羽地区に住む、海女115人(平均年齢66歳)と、運動習慣のある一般女性33人(同64歳)、運動習慣のない一般女性50人(同66歳)について、心疾患などの発症リスクとなる動脈硬化の程度を調べる血管年齢測定を行いました。

 その結果、海女の血管年齢は、実年齢と比べ平均で約11歳若かったのです。運動習慣のある一般女性は同約8歳、運動習慣のない一般女性は約6歳若かいという結果でした。

 チームによると、海女は潜水している間、心臓が1回の拍動で送り出す血液量が増える。また、海女には二酸化炭素を一気に吐き出すことで起きる失神を防ぐため、口笛を吹くように細く息を吐く「磯笛」という独特の呼吸法があるといいます。チームは、こうした要素が動脈のしなやかさと関係している可能性があるとみています。

 同研究所人間情報研究部門の菅原順主任研究員は「有酸素運動で血管年齢が若くなることは知られているが、息を止めて潜水する海女の動脈は、別の仕組みでしなやかさが保たれている可能性がある。これを解明することで、心臓や血管の病気に対する新たな予防法の開発が期待できる」と話しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です