参考:化学工業日報 2016年5月24日
メラニン原因物質が遊離脂肪酸で増
ポーラ化成、炎症性物質「GM-CSF」が表皮細胞内で増加
ポーラ化成工業は、皮脂成分の一つである遊離脂肪酸の作用により、メラニン産生を上昇させる炎症性物質「GM-CSF」が表皮細胞内で増加し、トラネキサム酸とエンメイソウエキスがGM-CSFの増加を抑制するという新たな知見を見いだしました。これらの研究成果は、化粧品に応用することでシミの改善につながることが期待され、ポーラから今夏に発売される化粧品に活用される予定です。
紫外線や物理的刺激などにより表皮細胞は、炎症性物質を分泌し、これらはメラニン産生細胞を刺激し、メラニン産生を上昇させ、色素沈着やシミを生じさせると考えられています。一方、肌の表面にうるおいと柔軟性を与えて肌を保護する役割の皮脂は遊離脂肪酸、トリグリセリド、スクワレンなどを主成分とするが、夏場には気温が上昇し、皮脂そのものの分泌が増加し、遊離脂肪酸の発生に関与する皮膚常在菌が増加するため遊離脂肪酸の量が増加します。過剰な遊離脂肪酸は肌に刺激を与え、乾燥性の肌荒れを起こし、キメを悪化させることが報告されています。
ポーラ化成は、遊離脂肪酸の表皮細胞への影響を研究した結果、GM-CSFの産生を増加させることを見いだしました。さらにこれを抑制する素材を探索した結果、トラネキサム酸とエンメイソウエキスの組み合わせにその作用があることが分かりました。