参考:時事通信社 2月5日(金)配信
虫歯の原因菌として知られるミュータンス菌の一種が脳内で炎症を引き起こし、脳出血の発症に関与していると国立循環器病研究センター(国循、大阪府吹田市)などが5日発表しました。論文は英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載されました。
国循の殿村修一医師は「病原性の高い細菌を選んでなくす方法を確立できれば、脳出血の予防につながる可能性がある」と話しています。
研究グループは、国循に入院した脳卒中患者100人から唾液を採取し、中に含まれるミュータンス菌を培養しました。
このうち、コラーゲンと結合して止血作用を阻害する性質を持つ「cnm遺伝子保有株」が検出された患者は、脳出血の発症可能性が他の患者の約4倍ありました。磁気共鳴画像装置(MRI)で確認できる微小な脳出血の跡も多かったといいます。
朝食なし、脳出血リスク36%増=血圧上昇原因か-大阪大
朝食を食べる回数が週2回以下の人は、毎日食べる人に比べて脳出血の危険性が36%高まるとの論文を、磯博康大阪大教授と国立がん研究センターなどのチームが4日までに米医学誌に発表しました。
朝の欠食が肥満や高血圧につながる恐れのあることは知られていますが、さらに脳出血の危険性も高まると確認されたのは世界で初めてといいます。磯教授は「朝食を食べないと、朝の血圧が上がるためと考えられる」と述べました。
チームは全国8県に住む45~74歳の男女8万2772人を1985~2010年まで追跡調査しました。
この間、脳出血を発症したのは1051人。調査開始時に朝食回数を週に0~2回と答えていた人は、毎日取る人に比べ脳出血になる確率が36%高いという結果になりました。欠食の頻度が高いほど危険性は高まりました。
脳梗塞などと合わせた脳卒中全体の危険性も18%高かったですが、脳梗塞単独では差はありませんでした。磯教授は「脳出血に比べ、高血圧の影響が小さいためではないか」と分析しています。
欧米では朝の欠食が心筋梗塞の危険を高めると報告されていますが、今回の調査で差は見られませんでした。日本人には肥満が少なく、心筋梗塞も少ないことが原因の可能性があるといいます。(2016/02/04-16:54)