東京で新型コロナウイルスの新規感染者が100人を超えた問題について「大変まずい状況になってきました」と言う形で報道されていますが、感染リスクの高そうなところを重点的に検査したのだから当たり前ですよね?

参考:Quora 2020年7月3日

8割自粛が終わっても燻っているのがわかっていたので、リスクが高いところを重点的に検査して燻っている種火から広がらないように国立感染症研究所やクラスター対策班ががんばっていたのだと思いますが、火種はあちこちに飛び火してどこから持ち込まれたかわからない種火、つまり感染経路を特定できない感染者が歩き回っている状況になってしまっていることが予想されるから問題なんですよ。

確かに今判明している若年感染者の重症化リスクや死亡率は低いですが、若年感染者が例えば喫茶店や居酒屋で働いている基礎疾患を持っている中年のマスターに移したらどうなるでしょうね?基礎疾患のあるハイリスク群は重症化するし、発症前ウイルス排出量、発症後のウイルス排出量も多いでしょう。感染経路が不明であれば、マスターは発症しても新型コロナを引いたとは思わず店を閉めるわけにいかないからそのまま働くかもしれませんね。店の客に感染が広まるでしょうね。具合悪くなるまでギリギリまで粘って働いて救急車で運ばれたら救急隊と救急外来の医師を感染リスクに晒し、感染が判明して重傷化して集中治療を施しても亡くなってしまうかもしれませんね。

介護や医療で働く若年感染者が気づかずに免疫老化した高齢者や化学療法で免疫細胞がやられている抗がん剤治療中の患者や免疫細胞が癌化して正常免疫細胞が機能できない白血病患者に移して広まったら何が起こると思いますか?

東京の医療崩壊は間近に迫っています。今見ているのは2週間前の感染拡大状況です。実効再生産数が2なら100人は200人になり、次に400人になります。実際には実効再生産数はもっと低いでしょうが、接触削減の指示を出さなければこの実効再生産数が1を超えて指数関数的な増加をしますから、今のままではあっさり10000人を越えるでしょう。

私の考えでは東京を中心とした首都圏の重症化リスクの高い基礎疾患のある若年から中高年、免疫老化のある高齢者はもう現時点で自主隔離するべきです。それでも手遅れかもしれませんが。重症化しやすい人たちが自分の身を守ってくれれば、医療資源はギリギリ持つかもしれません。

しかも医療現場は前のダメージから回復しきっていないでしょうし、資源も人手も足りず、追加支援についても明言されていない状況です。新型コロナは効率的な予防法が確立していない状況で、感染を防ぐ高度な設備や防備のない病床で受け入れれば、受け入れれば受け入れるほど赤字になる上に危険に晒されます。その上医療資源の少ない最前線の医療者が感染すればコメンテーターが嬉々として的外れな非難を浴びせるこの状況でどれだけの人や病院が頑張れるでしょうね。予防法が確立してない状態で感染症で戦っているから感染しているのになぜ感染するんだ、感染を広めた責任とれなんてって言われたら、現場から逃げたくなるでしょうね。密を避け、感染者にコンタクトしなければ感染しないのは当たり前ですから。これを読むと永寿の先生はECMOが無ければ死んでいたでしょうし。永寿総合病院長 院内感染を謝罪|NHK 首都圏のニュース 永寿総合病院は地域の救急を広く受け入れ、助けを拒まない病院だったようですし、これからもそうしようとしてくださっているようですが、同じことができる施設やそれに賛成する医師はどれほどいるのかなって思ってしまいますね。

また先行きが見えなくなってきましたね。いきなり8割自粛がないにせよ、このままの東京ではその可能性は見えてきたように思います。警戒のステージを上げて行政が更に注意喚起した方が良さそうな気がしますけどね。

 

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