かつてない規模の森林火災が続いています
この夏、シベリアでは6月に摂氏38℃という観測史上最高気温を記録しました。乾燥しきった森林で火災が
発生、1900万ヘクタール(北海道の2.3倍)もの森が焼けました。
北極圏では他の地域に比べ少なくとも2.5倍のスピードで温暖化が進んでいます。
この暑さで永久凍土が融け出し、その上に建っていたオイルタンクが倒壊、2万トンものディーゼル油が河川
に流出しました。こうした事故のリスクはやはり永久凍土の上に建てられ、今も建設中の石油産業施設やパイプラインにも及びます。
永久凍土が溶解すると、温室効果ガスのメタンが排出され、気候危機へのさらなる悪影響が懸念されます。
森林火災によって住処や食べ物を奪われるのはそこに暮らす生きものたちだけではありません。先住民が長い歴史をかけて培ってきた文化もコミュニティも失われることになります。すでに、火災による大気汚染で窓も開けられない、頭痛で眠れないといった被害も聞かれています。
気候危機をくいとめるために森をまもる
森林火災はシベリアだけでなく、ヨーロッパやオーストラリア、北米、アマゾンでも発生しています。その規模が、年ごとにかつてないほどに拡大し、より頻繁に起こるようになってきているのです。
それだけではありません。
アマゾンでは農場開発などを目的に人為的な火災が頻発しているのです。今年6月だけで確認された火災は2248カ所。このままでは昨年以上の大火災に発展する恐れがあります。
グリーンピースの調査では、欧州の銀行など金融機関の食肉業界への高額な投資が、アマゾンの森林破壊の原因となっています。わたしたちの食卓にならぶ安価な食材のために、森が焼き払われているのかもしれないのです。
アマゾンの熱帯雨林でのグリーンピースの活動は、世界中のサプライチェーンの動きがこの森にどれほどの影響を与えているかを調査し、事実を世界に伝え、一人でも多くの人々に行動を促すことです。
グリーンピースを支える皆さまのお力があってこそ、政府や企業の方針を変えられるようはたらきかけることができます。改めて深く感謝申し上げます。
グリーンピース・ブラジルで働く日系三世のヴァネッサ・ムラカミは「ブラジルに住む者にとって、旱魃や大雨、洪水といった自然災害が、もはや日常の一部になってしまいました」と語っています。
アマゾンを失うということは、世界を襲う気候変動への挑戦にも負けてしまうことを意味しています。「だからこそ日本のみなさんにも一緒に声をあげてほしいのです」
※写真はイメージです