小児期の牛乳アレルギーは骨が少し、弱くなる

参考:「Pediatrics」オンライン版 4月20日

 牛乳アレルギーの小児は、他の食品アレルギーの小児に比べて、骨が弱い可能性があることがわかりました。モントリオール大学(カナダ)准教授のGenevieve Mailhot氏らの研究で示唆されました。

牛乳アレルギーの主な治療法は、牛乳および乳製品を避けることですが、これらの食品は強い骨をつくるために必要なカルシウムの主要な供給源でもあります。

研究では、食物アレルギーのある思春期前の小児81人を調査しました。対象児の平均年齢は約7歳で、52人に牛乳アレルギー、29人にそれ以外の食物アレルギーがありました。Mailhot氏らは、対象児の骨密度と血液中のビタミンD濃度を評価しました(ビタミンDは骨の健康に欠かせないもの)。さらに、児のカルシウムとビタミンDの摂取量を記録しました。

その結果、牛乳アレルギー群では6%に骨密度低下が見られましたが、他のアレルギー群では骨密度低下は認められませんでした。牛乳アレルギー群ではカルシウム摂取量も1日930mgと、他のアレルギー群の1,435mgに比べて少なかったです。なお、カルシウムの1日推奨摂取量は1,000mgとされています。ビタミンDの摂取量は、両群で推奨1日量の600IUを下回っていました。

なお、牛乳アレルギー群でカルシウムサプリメントを摂取している児は37%、ビタミンDサプリメントを摂取している児は44%に留まりましたが、摂取している児では平均摂取回数が週5回以上と、良好に服用されていました。

Mailhot氏は、「子どもが牛乳アレルギーの場合、大豆、アーモンド、カルシウム強化オレンジジュースなど、他のカルシウムが豊富な食品をとらせるようにしたい」と話しています。ただし、今回の知見は牛乳アレルギーと骨密度低下の因果関係は示しておらず、また骨折を心配するほどの骨密度の差は認められなかったといいます。

Dr.堤より
他の食物アレルギーの児よりも骨密度低下が多くみられる

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