参考:2017年10月22日 (日)配信 朝日新聞
口内細菌、腸で増えると潰瘍誘発 治療薬開発に期待
口の中にすむ細菌が腸の中で増えると、腸に慢性の炎症が出るクローン病や潰瘍(かいよう)性大腸炎といった難病を引き起こしたり悪化させたりする可能性があると、慶応大や早稲田大などの研究チームが動物実験で確かめ、20日付の米科学誌サイエンスに発表しました。治療薬の開発に役立つ可能性があるといいます。
クローン病などは原因がはっきりせず根治療法がありません。研究チームは、患者の唾液(だえき)を、体内に細菌がいないマウスや遺伝的に腸内に炎症が起きやすいマウスに口から投与し、腸などを分析しました。マウスの腸内では「クレブシエラ属」と呼ばれる細菌が増殖して免疫細胞の一種を過剰に刺激し、炎症を起こしているとわかりました。健康なマウスでは炎症は起きませんでした。