「足育」が叶える全身管理~小児期からの発達を歯科で支える~

参考:自費研online 2021.06.04

歯科医院で「足」を診る。一見すると何の関係も無さそうに聞こえますが、近年密接な関係があることがわかってきました。新生児からの発育・発達の指導者として9年間に2万人を超える親子をみてきた人気講師、上野清香氏にお話をお伺いしました。

幼少期からの「足育」で、全身の健やかな発達をサポート

―—「足育」とはどういった考え方なのですか。

「足育」とは、新生児からの足の発達を促し、足指や足裏を正しく使って歩けるようにするためのアプローチです。足の発達がうまくいかないと、きちんと歩けないだけでなく、将来的に股関節が歪んで姿勢が悪くなったり、痛みが出たりしてしまいます。幼少期の発達の影響は大人になっても消えませんから、小児期からの足育は非常に大切です。

もちろん足だけでなく、手や姿勢といった全身の発達も併せて診ていく必要があります。特に新生児は、足よりも、頭と上半身のほうがはるかに重いです。上半身をしっかり整えなければ細いあんよで立ち上がることはできないので、頭と上半身をきちんと育てることが足育にもつながってきます。

―—なぜ歯科が率先して「足育」を行うのでしょうか。

歯科領域に関わる方ならご存知のことですが、「噛む」という行為は全身の筋肉の司令塔になります。歯列が整っていない子どもは総じて足指も整っていないという例があるのですが、一見すると口からは離れている足を診ることは、口腔機能を整えるうえでもとても重要なのです。

生まれてきた子どもは、中心から外へと段階を踏んで成長していきます。ですから歩行リズムを整えたかったら、最初に呼吸リズムがあって、哺乳リズムがあって、嚥下リズムがあって、咀嚼リズムがあって、その次に歩行リズムがあります。きちんと順を追って発達していないのにいきなり歩こうとしたり、手でお箸を持とうとしたりしてもうまくいきません。

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