WHO、携帯電話の発がん性リスクを警告

参考:C Net Japan 2011年6月1日

UPDATE 世界保健機関(WHO)によると、携帯電話から放射される電磁波ががんを引き起こす可能性があるといいます。

WHOの専門組織である国際がん研究機関(IARC)は、米国時間5月31日に公開したレポートで、鉛、ガソリンエンジンの排気、クロロホルムと同じカテゴリーの中に、携帯電話の使用を今回加えたと述べました。正式には、懈怠電話の電磁波は「発がんの危険がある」と分類されています。

これまで、WHOのIARCは、携帯電話の使用による健康への悪影響はないと述べてきました。ロビー団体の米セルラー通信工業会(CTIA)を含むワイヤレス業界、米連邦通信委員会(FCC)、米食品医薬品局(FDA)も、長年にわたり携帯電話は安全だと主張してきました。

米国のワイヤレス業界団体であるCTIAは、今回の発表を受けてすぐに、WHOのIARCは携帯電話が確実にがんを引き起こすと述べたわけではないことを指摘しました。

CTIAの広報担当バイスプレジデントを務めるJohn Walls氏は、声明で次のように述べました。「IARCは数多くの調査を行っており、過去には、たとえば漬け物やコーヒーにも同じ評価を与えてきた。IARCによる今回の分類は、携帯電話ががんを引き起こすと言っているわけではない。IARCの規程の下では、偏見や他のデータ不備に基づいて結果を出した場合でも、統計的調査から限定的な証拠が見つかる可能性がある」

CTIAはまた、IARCの判定が公表済み調査の検討に基づいており、新たな科学的研究の成果ではないことを強調しました。

「IARCの作業部会は、新たな研究を一切実施せず、公表された調査報告を検討しただけだ。FCCは、これまでの科学的根拠の評価に基づき、『携帯電話の使用ががんを引き起こし得ることを示す科学的根拠はない』と結論づけた。FDAもまた、『これまで有意な科学的証拠によって、携帯電話と何らかの健康問題が関連付けられたことはない』と述べている」(Walls氏)

今回の発表を受けて、FCCの広報担当者は次のように述べました。「FCCは現在、健康と安全に関する各連邦機関の助言に基づいて、携帯電話が安全基準を満たすよう求めている。IARCは、あらゆる潜在的な健康リスクを明確に特定するため、またはそれに応じてさらなる措置が必要かどうかを検討するために調査をすすめることを勧告しており、われわれはこの勧告を支持する」

IARCが今回フランスで開催した会議には、米国を含む14カ国から31人の科学者が参加し、携帯電話の安全性についてピアレビューを経た研究結果を検討したうえで、新たな判定を行いました。IARCの科学者チームは、携帯電話の電磁波にさらされることは「人体にがんを引き起こす可能性がある」と懸念に足る証拠を見つけたと述べました。

IARCの科学者らは、携帯電話の電磁波ががんを引き起こすかどうかについて、何らかの断言をするに足る長期的研究が行われていないという、多くの専門家が長年述べてきたことを繰り返しました。ですが、電磁波への被爆(さらされること)と消費者が懸念すべき健康上のリスクとの関連を示すデータは十分にあるといいます。

南カルフォルニア大学の教授で医学博士のJonathan Samet氏は、5月31日に発表した声明の中で「証拠は、まだ積み上げている段階だが、結論と(グループ)2Bへの分類を支持するのに十分なほど有力だ。この結論は、何らかのリスクの可能性があること、またそれゆえに、携帯電話とがんのリスクの関連性を注視し続ける必要があることを意味する」と述べました。同氏は、研究結果を検討したIARCの作業部会の議長を務めています。

IARCは、携帯電話の使用に関する新たなガイドラインをまだ発表していません。ですが、IARCのディレクターを務めるChristopher Wild氏は、懸念する消費者は被爆を軽減するために予防措置を講じるよう提案するとともに、さらなる研究の必要性も強調しました。

Wild氏は声明の中で次のように述べました。「この分類と検討成果が公衆衛生にもたらす潜在的な帰結を考えると、携帯電話の長期的な多用について調べるため、さらなる研究が実施されることが重要だ。そうした情報が得られるまでの間は、ハンズフリー機器やテキストメッセージなど、被爆を軽減する現実的な手段を利用することが重要だ」

IARCは声明の中で、10年間におよぶ「Interphone」研究の成果として公表された最近の論文を含む数百件の科学論文を検討したと述べました。

◇携帯電話と健康

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