岩手大、高齢者の食事見守りシステム開発へ、タカノなどと共同研究

参考:@m3.com 2021年8月22日(日)
岩手大学など4者は、人工知能(AI)を活用して高齢者の食事を見守るシステムの開発に乗り出します。耳に装着できる小型・軽量のウエアラブル機器で前頸部の生体信号を検知し、咀嚼・嚥下・呼吸の3機能をモニタリングすることで、食べ物の誤嚥を防ぐデバイスを実用化します。年内にプロトタイプを用意し、データ収集に着手。5年以内に薬事承認を取得し、発売を目指します。

東京医科歯科大学、長崎大学、医療機器の製造などを手がけるタカノと共同で進めます。シルバー人材センターや臨床現場などを通じ、健康な高齢者や嚥下障害者のデータを集め、岩手大が分析。結果の考察は東京医科歯科大と長崎大が、試作機の開発はタカノが担います。
食べ物をかんで安全に飲み込む動作は、咀嚼・嚥下・呼吸など複数の機能が協調して行われます。各器官で機能不全がない場合でも協調の仕方に問題があれば、嚥下障害を引き起こし、誤嚥の引き金になる可能性があります。
そこで4者は咀嚼・嚥下・呼吸をモニタリングすることで、それぞれの機能や協調の特性を解析し、患者ごとに適切な食事量や方法などを選択できるようなデバイスを開発します。誤飲や食べ物を吐き出したりするなど異常があった場合にアラートで知らせる機能もつけます。
医療現場だけでなく自宅などでの普段の食事に対応したデバイスとする方針。食事中の動作の変化を介護者らに知らせることで、窒息や誤嚥の予防につながるシステムとしていきます。
高齢化が進むなか、誤嚥性肺炎の死者数は増加し、日本人の死因で6番目に多いとされる。今までも食事の見守りに使うウエアラブル装置は開発されてきたが、咀嚼だけなど一つの機能しかモニタリングできませんでした。また大がかりな検査機材も必要で、食事中に使うのは難しかったのです。

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