参考:2015年6月24日(水)配信 毎日新聞社
歯周病菌、インフル感染助長 「口の中のケア、重要性高まる」 日大チーム発表
口の中にある歯周病菌の一つが、その人のインフルエンザウイルス感染を助長している可能性があるとの研究結果を、日本大の落合邦康教授(口腔(こうくう)細菌学)らのチームがまとめました。口の中の細菌には、タミフルなどの抗ウイルス薬を効きにくくしたり、ウイルスの増殖を助けたりするものもあり、インフルエンザ対策での口のケアの重要性がますます注目されます。
インフルエンザウイルスは、人の細胞表面にくっつくと細胞内に取り込まれますが、そのままでは感染する能力がありません。増殖するためには、人の細胞内外にある特定の酵素の働きで、ウイルス表面のたんぱく質に変化が起きることが必要になります。
日本歯周病学会で成果を報告したチームは、昨冬流行した高齢者が重症化しやすいA香港型(H3N2)ウイルスで実験。このウイルスは呼吸器系の細胞にある酵素の働きで感染能力を得ることが分かっていますが、細胞とウイルスに歯周病の原因となる「ジンジバリス菌」の培養液を混ぜると、呼吸器系にある酵素を混ぜた時と同じように、細胞へのウイルス感染が広がりました。
さらに、ジンジバリス菌が作る複数の酵素のうち「ジンジパインRpg」が、ウイルスに感染能力を持たせることも突き止めたといいます。
落合教授は「高齢者は免疫力が弱まっており、口のケアが悪いと、インフルエンザ感染と重症化の危険性が著しく増加する可能性がある」と指摘します。【藤野基文】
Dr.堤より
海外ではレポートが10年くらい前からあるが、ようやく日本国内でのレポートが出てきた。メディアはもっと取り上げてもらいたい。
菌同士の情報交換による病原性の増加や、遠隔的に喉の粘膜細胞の細胞膜上のウイールスレセプター(受容体)を活性化するということが確認されている。
海外ではレポートが10年くらい前からあるが、ようやく日本国内でのレポートが出てきた。メディアはもっと取り上げてもらいたい。
菌同士の情報交換による病原性の増加や、遠隔的に喉の粘膜細胞の細胞膜上のウイールスレセプター(受容体)を活性化するということが確認されている。