参考:2018年5月9日 (水)配信京都新聞
眠っている時に呼吸が一時的に止まる「睡眠時無呼吸」の人は、睡眠が短かったり高血圧や糖尿病の割合が高かったりすることが分かったと、京都大の研究グループが発表しました。滋賀県長浜市民約7千人を対象にした研究成果で、睡眠時無呼吸とほかの病気との関係解明につながります。米医学誌に9日、掲載しました。
睡眠時無呼吸と肥満や高血圧、糖尿病との関係は指摘されてきましたが、詳細は分かっていませんでした。京大医学研究科の陳和夫教授と松本健研究員らは2013~17年、長浜市の34~80歳の男女7051人に体の動きや血中の酸素量を計測する機器を渡し、各自1週間ずつ睡眠の状態を検査しました。
その結果、睡眠時の無呼吸状態が多くなるほど、睡眠時間は短いことが判明。さらに1時間に15回の呼吸低下のある中等症以上では、高血圧は2・4倍、糖尿病は2・5倍でした。また閉経前の女性は睡眠時無呼吸が少ない一方で、中等症以上に至った場合は、閉経後に比べて高血圧と糖尿病の頻度が高かったです。
陳教授は「さらに調査を継続して、睡眠時無呼吸とほかの病気の因果関係を突き止めたい」と話しています。
研究は、京大と長浜市が共同で市民を対象に実施している疫学調査の一環として行われました。